どこで行動するかではなく、どんな行動をするかが大事だと気づかされた ~国際社会学部西南ヨーロッパ地域/フランス語4年 北條聡子さんインタビュー~
外大生インタビュー
「トビタテ!留学JAPAN」を利用しルワンダで約半年間インターンとして活動していた、国際社会学部西南ヨーロッパ地域/フランス語4年の北條聡子さん。現地の活動を通してルワンダの人々のたくましさに触れ、前向きなパワーをもらいました、と笑顔で語ってくれました。今回は、実際の活動の様子やルワンダでの生活、インターンを終えた今思うことなどを伺います。
取材?執筆:堀 詩(言語文化学部 英語3年)(広報マネジメント?オフィス 学生広報スタッフ?学生ライター)
──フランス語を専攻した理由、サークル活動について教えてください。
高校生の頃から国際協力に興味があり、世界の誰かの役に立ちたいという思いを漠然と抱いていました。当時の私は、「困っている人たちがいる場所といえばアフリカ」という偏見があり、アフリカについて深く学ぶために、まずは現地で広く使われているフランス語をしっかり勉強しようと考えました。
大学に入学してすぐ、FammeCafe(ファムカフェ)というサークルに入りました。「ルワンダと日本の架け橋に」という理念のもと、ルワンダのフェアトレードコーヒーの販売を行っています。地域のマルシェへの出店や外語祭での販売などもしていました。そして、活動の一環でルワンダのことを勉強するうちに、いつか実際に行ってみたいという気持ちが芽生えました。
──FammeCafeの活動が北條さんとルワンダをつなげたのですね。「トビタテ!」を利用してインターンをしたいと考えたのはなぜでしょうか。
実は2022年の夏に、FammeCafeの活動で縁があったルワンダの会社で1か月間インターンをしたことがあります。その時から現地の女性たちの雇用状況を実際に観察したり、空いた時間に英語を教えたりしていたのですが、1か月はとても短く不完全燃焼感のまま帰国しました。
帰国後もオンラインで英語の授業をしていましたが、現地で活動にコミットしたい!という思いが消えず、トビタテ!を利用し2023年9月から翌年3月末の約半年間、同じ会社でもう一度インターンをすることを決めました。
──インターン先ではどのような経験をされましたか。
私は「KISEKI」という、地域のお母さんたちに雇用を生み出すことを目的とした会社でインターンをしていました。インターンの内容はかなり自由で、逆に何も与えられないため、できることを自分で探さなければいけません。そこで、私は大学で教職の授業を取っていたこともあり、スタッフの方々の休憩時間に英語を教える活動を始めました。スタッフには経済的な理由や若年妊娠などで、小学校や中学校を中退した人も多く、学びで達成感を得ることからは遠ざかっていました。そんな彼女たちが、英語を学ぶことに幸せを感じ、キラキラと目を輝かせて授業を受けてくれたことが、とても嬉しく、やりがいにつながりました。
──ルワンダで英語教育をする中で特に印象に残っていることはありますか。
2022年時点では「ハロー」しか話せなかった5,60代の女性がいるのですが、英語学習へのモチベーションが高く、2023年に再訪した時には英語でコミュニケーションがとれるくらいまで話せるようになっていました。彼女は妊婦さんのケアなどをしているヘルスワーカーだったので、仕事で使うことができる英語を個別に教えてあげました。そしたら、本当にありがとう、こんな機会に恵まれて本当に幸せだ、って言ってくれたんです。彼女から、何歳からでも人は学ぶことができるということを教えてもらいました。
──現地での生活はいかがでしたか。
結婚式に参加したことが印象に残っています。インターン先のスタッフの結婚式だったため、ルワンダの伝統衣装「ムシャナナ」を貸してもらってブライズメイドを務めました。
──インターンを終えた今思うこと、また、読者の方々へ一言をお願いします。
現地の女性たちは目の前に出されたチャンスを掴み取るパワーがあって、たくさんの刺激を受けました。ルワンダは虐殺や貧困というネガティブなイメージと結びつけられがちですが、実際そこで暮らしている人には生きる力が漲っています。
留学を経てアフリカへのこだわりがあまりなくなった、というのが正直なところです。アフリカだから困っているとか、そのような偏見の誤りに気がつきました。どこで行動するかよりは、何のためにどんな行動をするかを見失わないことが大事だと思います。今後も場所がどこであろうと自分の軸を大切にして、社会課題に貢献できたらと思っています。
本記事は取材担当学生により準備されましたが、文責は、東京外国語大学にあります。ご意見は、広報マネジメント?オフィス(koho@tufs.ac.jp)にお寄せください。