学長×外語祭実行委員会三役局長「進化し続ける外語祭?第99回外語祭を前に?」
外大生インタビュー
2021年11月19日(金)?23日(火?祝)、第99回外語祭が開催されます。今年度は中国体彩网手机版感染対策を取りながら、ハイブリッド形式(対面参加は事前予約制)で開催します。
外語祭は今から120年前の1900年に始まり、「講演会」(1900年?1908年)、「語学大会」(1919年?1928年)、「語劇大会」(1930年?1936年)、「語劇祭」(1947年?1954年)、「外語祭」(1955年?)とその名称を変え、今日に至ります(戦争や学園紛争などにより中断があったため、今年は99回目の開催となります)。昨年は120年の歴史ではじめてのオンライン開催となりましたが、今年ははじめてのハイブリッド開催。
第99回外語祭実行委員会の委員長ら学生10名と林佳世子学長が対談しました。(対談は9月上旬に実施しました)
対談者
林 佳世子 東京外国語大学長(以下「林学長」)
外語祭実行委員会三役局長陣
- 委員長: 原 穂波(はら ほなみ)さん (以下「原委員長」)
- 副委員長: 太刀川 祐爾(たちかわ ゆうじ)さん (以下「太刀川副委員長」)
- 会計: 荻野 眞衣(おぎの まい)さん (以下「荻野(会計)」)
- 屋内-装飾局長 西宮 絢佳(にしみや あやか)さん (以下「西宮(屋内?装飾)」)
- 企画局長 高木 紀実(たかぎ もとみ)さん (以下「高木(企画)」)
- 広報局長 岸 穂乃花(きし ほのか)さん (以下「岸(広報)」)
- 語劇局長 福岡 佑季(ふくおか ゆうき)さん (以下「福岡(語劇)」)
- 事務局長: 吉川 直(よしかわ すなお)さん (以下「吉川(事務)」)
- 渉外局長 中村 奈央(なかむら なお)さん (以下「中村(渉外)」)
- 野外ステージ局長: 佐伯 麻実(さえき まみ)さん (以下「佐伯(野外)」)
司会?文
- 谷川 航平(たにがわ こうへい)さん
——外語祭における皆さんそれぞれのお仕事、役割を教えてください。
林学長:大学としては、外語祭実行委員会の皆さんが本当にしっかり準備をしてくださっているのでそれを信頼しつつ、安全で楽しく外語祭が実施されるように進捗を把握しながら陰でバックアップすることかなと思っています。中国体彩网手机版感染症が猛威を振るう前の対面での開催時は、私は外語祭の全企画の中から「学長賞」を決めていましたので、その選考のことを考えつつ外語祭に参加していました。学長として外語祭への関わりはその2点です。
原委員長:なかなか委員長の仕事がこれだというのは見えていないのが正直なところです。私たちが1年生の時の第97回までは対面でできていたため、毎年のルーティンワークがあり、委員長の仕事は割と明確だった気がするのですが、昨年?今年と、一昨年とまったく違ったことをやっています。第99回が終わった後に見えてくるのかなと思います。今言えるのは全体委員会の進行であったり、全体的なことをみて細々な雑用をしたり、資料の作成をしたり…。委員長の名前を背負うことが一番の仕事かなと思っています。
太刀川副委員長:委員長が言ったように、今年はかなりイレギュラーな業務が続いています。副委員長は、全体の企画書、シフト作成などをサポートする役職というところは今年も変わっていないのかなと思います。ただ、このコロナ禍で第98回がオンライン、今回の第99回もいろいろ方法を模索している中で、新しい雑務、関係づくりなどにも日々取り組んでいるところです。
荻野(会計):会計は、三役の中でも名前を聞いた時に業務が分かりやすいかと思います。各局長陣と協力しながらの予算を作ったり、対面で外語祭をやる場合の保険に関する業務等々を担当しています。三役としては、各局の連携がうまくできているか見るのが会計の仕事です。
西宮(屋内?装飾):屋内で行われる部活やサークルによる企画運営のサポート、そして装飾や案内表示の仕事を担っています。今年も先が見えない中ではありますが、昨年のオンラインでの開催を生かして、ハイブリッド型で研究講義棟を使って行う企画、オンラインで実施する企画の準備を並行して行っています。私たちが1年生だった時や昨年の完全オンラインの経験とは違うところもたくさんありますが、どうにかして1つの形につくりあげられるように準備を進めているところです。
高木(企画):「本部企画」と呼ばれる外語祭実行委員会が運営する企画の立案から準備、運営までを担当しています。他局と同様にイレギュラーな状態になっていますが、受験生応援企画などオンラインの経験があるものはハイブリッドでの準備も進めつつ、対面でもオンラインでも充実した本部企画を運営できるよう進行しているところです。
吉川(事務):例年事務局では、基本的に1年生の料理店の皆さんとコミュニケーションをとったり、会議を開いたり、学生課の皆さんと調整をするなどをメインに行っています。今年はどうするか模索しているところではあります*が、基本的には1年生の団体のサポートを継続しています。事務局は外部から目につきやすい業務を行っているので、どう公表するかを考えたりしています。事務局長としての役割は、何かあった時の責任を背負った上で、来年以降は後輩たちがやりたいことをできるよう、大阪のおばちゃんみたいなポジションで支えたいと思っています。
(* 料理店は感染拡大防止のため、誠に残念ながら中止となりました。物品販売?ワークショップとオンライン動画を配信予定です。)
福岡(語劇):語劇局は、名前の通り「語劇」を今年度どのように行うかを検討して準備する局になります。最大の目標は、今年度も語劇という学びの場を学生に提供することです。昨年度の好評も受けて、今年度もオンラインでも配信をしようと考えています。語劇局長としては学びの場をどうやって学生に提供していくのかということを考え、学生課や関係各所の皆さんと協力して準備していく、いわば中間管理職みたいなことをしています。私の父親も中間管理職なので、父親とめちゃめちゃ話が合う様になりましたね(笑)。さまざま苦労はありますが、多方面との調整を行っているのが局長の仕事です。
佐伯(野外):その名の通り野外ステージの運営を担っております。外語祭の当日に至るまでに団体のオーディションを行い、出演者を決定します。その後に出演される方々とどのような演出でどのようなステージにしたいか話し合い、一緒にステージを作っていくことが仕事です。今年に関しては、2021年に既に開催された音楽フェスティバルやライブの感染症対策を参考にして準備を進めているところです。
中村(渉外):外語祭は、企業や地域のお店、卒業生など外部の個人の方から協賛金をいただき運営資金としています。これを集めるのが渉外局の仕事です。日々資金集めに奔走する姿勢は対面の時とあまり差はありません。コロナ禍での課題としては、協賛金の減額が問題になっています。昨年は全面オンラインの対応に追われるばかりでしたが、今年は多少余裕が出てきたので協賛金をいただいたときの見返りを豪華にするなど考えているところです。また、銀行に振り込みに行かなくてもネットで振り込めるようにするなどの改革?工夫をして協賛金がより集まるように日々頑張っています。局長としては三役局長会議?三年会議?局会議など縦の会議ほとんど全てに顔を出しています。オンライン主体で直接コミュニケーションが取りづらく、言い方が悪いかもしれませんが不信感が募りやすくなる時期ですが、局長としてはそういう立場の間の橋渡しをしていきたいと思っています。
岸(広報):広報局はその名の通り、外語祭を外部にアピールする局で、ウェブサイトや各種SNSの運営、公式ガイドブックやパンフレットの作成を担当しています。今年の広報局のテーマは「楽しく、楽しませる広報を」。外部の人に楽しんでもらうためには、まず広報局員?本部員が楽しいなと思うことが大切だと思っています。そういうところを大事にしながら外部にアピールしていきたいなと思っています。
——ここで皆さんにぜひ伝えたいという感謝の気持ち等があればお願いします。
荻野(会計):ちょうど今週末(9月上旬)各局の予算の締め切りで、みんな忙しい中、予算を3回も提出していただいてありがとうございます。これから予算を組んで学生課の方に承認していただくのですが、多分なんとかなりそうかなと思います。「本当にいつもありがとう」という感謝をここで述べさせていただきたいです。これからもよろしくお願いします。
原委員長:林学長の前にいる「たふくじら」(外語祭公式キャラクター)、いつも可愛いなと思っています。昨年のフィナーレの時にも学長と一緒にいたのですごく嬉しいなと思っています。この前「トビタくん」(大学公式キャラクター)のTwitterで、東京農工大学の公式キャラクター「ハッケンコウケン」とオンラインでかき氷会をしたという投稿の時に、外語祭の宣伝をしてくださってとても嬉しかったです。外実一同すごく喜んでいます。ありがとうございます。
林学長:たふくじら、本当に可愛いですよね(笑)
——昨年の全面オンライン、そして今年のハイブリッド形式に変わり、仕事内容にも大きな変化があったかと思います。オンラインでの外語祭に関する感想をお聞かせください。
原委員長:私は企画局の出身なのですが、受験生相談企画などで、全国からいろんな人がオンラインで相談に来てくれて、オンラインだから地方の私でも参加できたというような声を聞くことができました。よりいろんな人に扉が開かれた外語祭になったというのはすごく良いポイントだと思っております。
——全面オンラインの前回は、事務局や野外ステージ局でかなり変更があったと思いますがいかがでしょうか。
吉川(事務):料理店は、いろんなものがオンライン化していく中で一番オンラインにしにくいものだなとと思いますが、みんな工夫して料理動画を作成するなどしてくれました。本当にすごく美味しそうに作成してくれて、ほとんどすべての語科の方が協力してくださって本当に感謝しています。世界各国で道を歩いている時に漂ってくる香りなどがあると思います。まさにそれが対面の外語祭の円形回廊で起こっていることだと思っているのですが、料理から感じる香りや独特の文化がオンラインだと体験していただけないのが残念だなと思っています。
佐伯(野外):野外ステージで一番変化が大きかったのは、やっぱり参加される団体の数ですね。普段は50団体くらいが参加しますが、実際に生演奏(リアルタイム演奏)で参加してくれたのは1団体のみだったのでそこが寂しかったかなと思います。今年はまたいろんな団体の方が応募してくださっているので賑やかなステージが戻ってくるのではないかと思って楽しみにしています。
——次回以降の外語祭に期待することは?
岸(広報):私は昨年も広報局として地域の担当をし、新しい交流を作っていきました。コロナの影響でできなかったことも多くあったのですが、次回以降は、地域のお店などとのコラボの幅を広げていったり、国際色豊かな東京外大の学園祭という立ち位置だけでなく、府中市、調布市など近辺の地域の人にとっても重要な文化祭になっていくといいなと思っています。
福岡(語劇):しばらくはこういう状況が続いてしまうだろうと思います。今の小学生、中学生、高校生などは、いろいろと理不尽な目に遭っています。例えば修学旅行に行けなくなったなど、いろいろつらい目にあってきた生徒さんたちが、いずれ、第97回以前のような外語祭を担うことになると思います。その時はそういう人々が思う存分いろんな体験ができるような外語祭になるといいと思います。
西宮(屋内?装飾):来年記念すべき第100回なので、厳しい状況はあるかもしれないが、在学生、卒業生、これまで外語祭に携わってきた方々からの期待も大きいと思います。どのようにしていくか、これから考えることたくさんあると思うんですけど、新しく作り出すことの大切さ、逆境でも負けずに何か作り出そうとする姿勢、意義とかを感じてほしいです。さらに先の外語祭へのバトンを作ってもらえたらいいんじゃないかと思っています。
高木(企画):私たちはもちろん、先輩やもっと上の先輩たちも来年以降に期待することがたくさんあると思います。でも来年以降の学生たちには、その期待を受け止めた上で聞き流してもらい、自分たちが思うような外語祭を作ってもらって、その次の年につなげていってほしいなと思います。期待を重く受け止めすぎなくてもなくていい、と伝えたいです。
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