「ボリビアにおける大衆参加法の現状と国際協力のあり方 ―ボリビア共和国ラパス県アチャカチの事例研究―」 福原亮
研 究
筆者は1999年から2001年までの2年間、南米最貧国ボリビアに青年海外協力隊シニア隊員(農村開発普及員)として派遣され、アンデス高地(アルティプラーノ)においてボリビア政府が進める政策に対する地域住民による一連の社会運動の高まりを身近な角度から眺めてきた。
特筆すべき出来事として、水戦争、農地改革やコカ根絶政策反対など地域住民による社会運動があげられ、ゼネストによる道路封鎖により避難生活を余儀なくされた。当時のボリビアは国際機関により導入されたさまざまな制度が農村地域にまで押し寄せ、それに対して特に貧困層が激しく抵抗する姿が随所で見受けられた。ボリビア農村地域におけるさまざまな問題が、国際協力実施に大きな影響を与えており、こうした制度や協力事業の導入がもたらす現状を丹念なフィールド調査をもとに分析し、その解決に向けた提案を行うことは、ボリビアのみならず、今後の国際協力の実施上不可欠であると考えた。
ボリビアでのゼネストのテーマの起源を辿ってゆくと、現在モラレス大統領が植民地主義の延長にあると痛烈に批判している1980年代半ば以降実施されている「新経済政策」に繋がっている。そのなかで「大衆参加法」は、農民共同体への社会開発により、「新経済政策」への支持の取り付けを目指した同政策の枠組みの中心的な法律である。
本調査では、「大衆参加法」による地方自治体の権限の拡大と経済?社会開発との関係、問題点の検討をアチャカチでのフィールドワークに基づく事例研究をつうじて明らかにする。
詳しくは学術調査報告書(PDF)をご覧ください。
報告者
- 名前: 福原亮
- 研究テーマ: ボリビアにおける大衆参加法の現状と国際協力のあり方 ―ボリビア共和国ラパス県アチャカチの事例研究―
- 渡航先: ボリビア
- 旅行期間: 2008年2月22日~2008年3月16日(24日間)
- 調査旅行の概要: 「大衆参加法」による地方自治体の権限の拡大と経済?社会開発との関係、問題点を検討するための基礎となるフィールドワークを、アチャカチ市および同市行政区域内のコミュニティにて行った。
- 学術調査報告書(PDF)