「男らしさ」という価値観に縛られてきた男性を芸術や文学がどのように描いてきたのか、欧米や中国の映画、文学、芸術、演劇を男性表象の視点から読み解くことで、社会のマジョリティーだからこそこれまで語られなかった多様な「男らしさ」を析出する表象分析論集。本プロジェクトの研究代表者である西岡あかねと、研究分担者である小松原由理の論文が収録されています。
【目次】
序 文 マスキュリニティ、二十世紀、表象 熊谷謙介
第1章 表現主義のマチズモとアウトサイダー性 西岡あかね
第2章 新しい男の誕生?―ダダにおける「新しい人間」のマスキュリニティ 小松原由理
第3章 洪深のアメリカ留学体験―自伝における人種差別?恋愛、そして演じること 中村みどり
第4章 男らしくない西部劇小説『シェーン』―冷戦期アメリカの核/家族 古屋耕平
第5章 「人間らしさ」への道、「男らしさ」への道―ラルフ?エリソン『見えない人間』 山口ヨシ子
第6章 母、マジョリティ、減退する性―ロマン?ガリと男性性 熊谷謙介
第7章 飛ばなかった王子―マシュー?ボーン版『白鳥の湖』にみる男性性と現代社会 菅沼勝彦
第8章 現代美術にみる狩猟と男性性―おとぎ話文化研究の視点から 村井まや子