アクションプラン2013-2017
TUFS アクションプラン2013-2017
東京外国語大学長 立石博高
たに学長となりました私は、その任期4年間(2013年4月~2017年3月)に実行に移すべき課題を、 TUFSアクションプラン2013-2017 として整理いたしました。
当然のことながら、このアクションプランに盛り込まれた内容は、「東京外国語大学グランド?デザイン」の基本指針に述べられる、「世界諸地域の言語?文化?社会に関する高等教育の拠点」、「世界諸地域の言語?文化?社会に関する学際的かつ先端的な研究拠点」、そして「日本語教育研究の世界的な拠点」という拠点大学化に向けた努力を積み重ねて、本学が「地球社会時代の未来を拓く教育研究の拠点大学」となることをめざすための諸課題にほかなりません。ただし、改訂を経たとはいえ、現在の「東京外国語大学グランド?デザイン」は12年前に制定されたものであり、この TUFSアクションプラン2013-2017 を遂行するなかで、数十年後をも念頭においた内容にブラッシュアップされるべきものと考えます。そうした意味で、グランド?デザインの精緻化もこのアクションプランの遂行のなかで果たしていきたいと思います。
私は、 東京外大を、21世紀を切り拓く「対話Dialogue」と「共創Co-creation」の場に! というスローガンを本学ガバナンスの基本姿勢として掲げます。すべての教職員と学生たちが「真摯に言葉を交わしあい、創造的な何かを求め合う」ことこそが、東京外大の未来にとって不可欠だと考えるからです。
さらに、 東京外大を、地球社会化時代に活躍する、卓越した教養と専門知を備えたグローバル人材養成の場に! というメッセージを、本学のめざすグローバル人材育成の目標として掲げます。21世紀の地球社会の共存?共生に寄与する人材(地球市民)は、 総合的かつ地球俯瞰的な教養(Global Liberal Arts) と、地球社会(グローバル)と地域社会(ローカル)の諸課題に取り組む 専門的知識(World Knowledge) を必要とするからです。
亀山前学長のもとで実現した「言語文化学部」と「国際社会学部」への学部改編をしっかりと実質化し、本学のもつ言語研究と地域研究の二つの柱をいっそう強固なものにするよう、皆様と一緒に頑張りたいと思います。
グランド?デザイン
東京外国語大学は、地球社会化時代の未来を拓く教育研究の拠点大学をめざします。
- I. 拠点大学化
- 世界諸地域の言語?文化?社会に関する高等教育の拠点
- 世界諸地域の言語?文化?社会に関する学際的かつ先端的な研究拠点
- 日本語教育研究の世界的な拠点
- II. 国内外の大学間連携等による教育研究の高度化推進
- III. 国内外における社会連携の展開
- IV. 豊かな学生生活の実現
- V. 拠点大学としての基盤整備
東京外大を、21世紀を切り拓く「対話Dialogue」と「共創Co-creation」の場に!
東京外大を、地球社会化時代に活躍する卓越した教養と専門知を備えたグローバル人材養成の場に!グランド?デザイン実現のための諸課題
I. 世界的研究?教育拠点としての体制の確立
II. 国内外の大学連携等による教育研究の高度化推進
III. 国内外における社会連携および社会貢献の展開
IV. 豊かな学生生活実現のための環境整備
V. 拠点大学としての基盤強化と国内外のプレゼンス向上
Ⅰ.世界的研究?教育拠点としての体制の確立
(1) 大学院教育の強化?充実
- 卓越した研究者と高度職業人養成のための大学院教育課程の改編と充実
- 日本語教育?国際日本研究の教育基盤の整備
- 海外との共同教育に向けた体制の整備
(2) 学士力の強化に向けた教育の充実
- 総合的かつ地球俯瞰的な「グローバル教養」のための教育課程の充実
- 批判的思考力と問題解決能力の涵養のための世界教養プログラムのカリキュラム整備
- 実践的運用をめざした地域言語教育の充実
- グローバル言語としての英語教育の徹底
- 多言語コーチングの導入
- 学習時間確保のためのe-Learningの活用
- グローバル時代の専門的人文?社会科学教育の充実?強化
- 人と世界をつなぐ言語文化教育のさらなる充実
- 国際社会に関連する社会科学系教育の充実?強化
- 英語によるチュートリアルの創設
- キャリア教育のさらなる充実
- 職業意識啓発のための教育の推進
- 専門的職業への資格取得支援の拡充
- 入試方法の多様化と新アカデミックカレンダーの検討
- 授業時間と授業方法の多様化の検討
(3) 教員の教育?研究力の向上
- 教育力向上のための研修の充実
- 若手研究者の研究力の向上のための共同研究の実施
- 総合研究推進基盤を創設し、4研究所及び国際日本研究センターにおける共同プロジェクトを推進
- アジア?アフリカの言語?文化に関する国際的共同研究の推進
- 教員の特別研修制度の充実
Ⅱ.国内外の大学連携等による教育研究の高度化推進
(1) 国際連携による共同研究の推進
- コンソーシアム等国際連携による共同研究の推進
- アジア?アフリカ研究教育コンソーシアム(CAAS)等を通じた共同研究の推進
- 海外諸機関との教育研究者の交流
- 若手研究者の国際力強化
- 頭脳循環若手支援プログラム等を通じた国際水準の研究者養成
- 海外における日本?日本語教育研究への支援
- 日本語ならびに日本研究に関する教育メソッド、教材開発の推進
- インターン派遣による海外での教育支援と教育者養成
(2) 大学連携センターを創設して、大学等機関間連携を推進
- 「四大学連合」を核にした大学間連携による教育研究の充実
- 東京工業大学との「教養教育の共同実施」
- 「複合領域コース」の充実
(3) 国際共同教育研究の推進体制の強化
- 国際学術戦略本部の強化
- 国際連携教育に関する戦略の策定と戦略に沿った海外機関との協定締結ならびに見直し
- 留学支援体制の強化
- きめ細かな留学情報の提供とコンサルタント機能の充実
- 国際教育支援基金による留学生支援の継続
(4) 国際連携による共同教育の推進
- グローバル人材を育成する多様な国際共同教育プログラムの推進
- 学生のニーズに応じた留学プログラムの開発?推進
- 多種多様な地域との協定締結による学生交流の充実
(5) 外国人研究者受入のための基盤整備
- 研究者用ゲスト?ハウスの整備と交流スペースの整備?拡充に向けた検討
Ⅲ.国内外における社会連携および社会貢献の展開
(1) 社会?国際貢献基盤を創設して、社会貢献と国際連携の支援体制を強化
- TUFS社会?国際貢献センター(仮称)の設立を準備
- 国内外への世界諸地域の社会?文化情報の発信
- 文化財復興支援等の国際貢献事業の継続と推進
(2) 「TUFS人材アカデミー(GLOHRA)」の構築
(3) 「東京外国語大学(TUFS)オープンアカデミー」の充実
(4) 多言語?多文化教育研究の成果に基づく社会貢献の推進
Ⅳ.豊かな学生生活実現のための環境整備
(1) 学生支援基盤を創設して、学生生活と留学生支援の体制を強化
(2) 学生の自主性?積極性涵養のための支援
- 語劇、ボート大会等の学内行事の推進
- 課外活動?ボランティア活動の支援
- ボランティア活動スペース(VOLAS)の支援
- 留学生と日本人学生の多様な交流の支援
- 国際交流会館1?2?3号館を活用して、IJ学生交流を推進
- キャンパスグローバル化をめざし、IJ学生プラザ(仮称)を設置
(3) 安全?安心な学生生活のための基盤整備
- 学生相談窓口の充実
(4) グローバル?キャリア?センターの活動強化
- 国内外の諸機関?企業と連携し、インターンシップを拡充
- グローバル?ビジネスリーダーの養成
Ⅴ.拠点大学としての基盤強化と国内外のプレゼンス向上
(1) 法人事業推進力の強化
- 経営戦略情報本部を創設して、経営戦略の構築を強化
- 多様な教育研究を支援する事務組織の改編
- 事務職員の研修(SD研修)機会の充実と能力?適性に応じた登用
- 全教職員のコンプライアンス研修を実施して、コンプライアンス遵守を徹底
- 教職員のヘルスケア?ヘルスプロモーション体制の充実、ストレス?マネジメントの推進
(2) アラムナイ事業の展開
- 卒業生ネットワークの整備
- 東京外語会との連携の強化
- 東京外語会員への便宜供与の拡充
- TUFSアラムナイ?ラウンジ(仮称)の設置を準備
(3) 学術情報基盤体制の整備
- 情報システムの高度化による教育?研究活動に対するサービス向上
- スマートライブラリの構築をめざして附属図書館の機能を強化
- 図書館の学習支援機能の充実
- エメロテカ(定期刊行物館)(仮称)の設置を準備
(4) 広報力を強化して、本学のプレゼンスを向上
- 在学生?保護者?卒業生に向けてのインターネットを通じた広報の実施
- インターネットの活用による教育?研究成果の発信力強化
- 大学広報誌『GLOBE Voice』の刊行
- 東京外国語大学出版会の活動を通じた教育?研究成果の発信
- 大学資料の公開と促進
- 大学文書館の充実
- 図書館等の展示の充実
(5)財政基盤等の強化
- 教育研究施設?設備の改善
- 外部資金?受託事業等の積極的獲得
- 東京外国語大学基金事業の推進
- 「東京外国語大学独立120周年基金」事業(2014-2019)への取り組み
特記
本学は、2019年に「独立120周年」を迎えます。上記の
TUFSアクションプラン
、なかでも、移転後10数年を経た施設?設備の改善、国際教育支援基金の事業継続、そしてTUFS社会?国際貢献センター(仮称)、TUFSアラムナイ?ラウンジ(仮称)、エメロテカ(定期刊行物館)(仮称)などの複合施設の設置をめざして、新たな基金事業「東京外国語大学独立120周年基金」を展開しなければなりません。2014年から2018年の5年間の事業を成功させて、本学を、
21世紀を切り拓く「対話」と「共創」の場
にすることに、奮闘する所存です。皆様のご協力とご支援を心よりお願いします。
TUFSアクションプラン2013-2017
平成25年4月
TUFSアクションプラン2013-2017 リーフレットPDF