NEWS
- TUFSシネマ『エミリーとブレーキー』上映会のお知らせ
- BLM連続セミナーが本になりました。好評発売中です。
- 第3回スピンオフイベント「BLM運動と大学 留学生の視点から」の動画を掲載しました。
- 第1回スピンオフイベント「ヘイトスピーチ規制と表現の自由」の動画を掲載しました。
- 第1回から第9回のセミナー動画は各回のアーカイブページよりご覧いただけます。
- BLM連続セミナーを終えて?企画者対談:武内進一教授×中山智香子教授?が掲載されました。
Black Lives Matter 運動から学ぶこと
東京外国語大学では、「Black Lives Matter 運動から学ぶこと―多?化共?、サステイナビリティについて考えるために―」と題し連続セミナーを開催します。
本セミナーを通じ、今や、世界中に広がりを見せるBLM運動を多角的な視点から考察するとともに、日本を含む世界の諸地域における、エスニシティ、ナショナリズム、植民地主義、差別、移民、同化、ジェノサイド等々、幅広い領域に関わる論点と接合させることで、この運動が今ここに生きる「私たち」に問いかける「多文化共生とは何か」、「サステイナビリティとは何か」といった課題をともに考えていきたいと思います。
連続セミナー スケジュール
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日時 | 講演者 | テーマ |
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第1回 | 2020年10月21日(水) 17時40分~ |
荒このみ | アメリカ研究から見たBLM運動 |
第2回 | 2020年11月25日(水) 17時40分~ |
岩崎稔 友常勉 |
運動論から考えるBLM |
第3回 | 2020年12月23日(水) 17時40分~ |
出町一恵 太田悠介 |
社会の中の分断と融和 |
第4回 | 2021年1月20日(水) 17時40分~ |
中山裕美 山内由理子 学生団体 みんがおキッチン 学生団体 Moving Beyond Hate |
「差別を支えてきたもの」はなにか |
第5回 | 2021年2月10日(水) 17時40分~ |
中山智香子 武内進一 |
アフリカ?グローバリゼーション?BLM |
第6回 | 2021年4月28日(水) 17時40分~ |
加藤雄二 橋本雄一 |
Black Lives Have Mattered: アメリカ文化と音楽におけるアフリカン?アメリカンと人種 |
第7回 | 2021年5月12日(水) 17時40分~ |
岡田昭人 佐々木亮 本学大学院生(数名) |
教育の平等と公正のはざまで揺れるBLM |
第8回 | 2021年6月16日(水) 17時40分~ |
藤井光(アーティスト) | BLMを芸術につなぐ |
第9回 | 2021年7月21日(水) 9時30分~ |
小田原琳 大鳥由香子 高内悠貴 |
#MeTooとBLM |
第1回スピンオフ | 2021年11月16日(火) 16時~ |
奈須祐治 萩原優理奈 松隈潤 |
ヘイトスピーチ規制と表現の自由 |
第3回スピンオフ | 2022年1月19日(水) 10時~ |
吉田晋也 児玉真希 山田優理 友常勉 大鳥由香子 |
BLM運動と大学 留学生の視点から |
※詳細は変更になる場合がございます。このページを更新して参りますので、随時ご確認ください。
第1回 アメリカ研究から見たBLM運動
第2回 運動論から考えるBLM
第3回 社会の中の分断と融和
講演者?講演タイトル
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出町一恵(東京外国語大学大学院総合国際学研究院准教授)
「格差と没落―抑圧者の恐怖心」 -
太田悠介(神戸市外国語大学総合文化コース准教授)
「反人種主義のフランス思想―エティエンヌ?バリバール」
第4回 「差別を支えてきたもの」はなにか
講演タイトル
「『みえない/みえにくい』差別―学生と共に考える―」
講演者
- 中山裕美(大学院総合国際学研究院准教授)
- 山内由理子(大学院総合国際学研究院准教授)
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みんがおキッチン(学生団体)
みんなの笑顔×ミンガラーバー(ビルマ語で"こんにちは")。食で始まる難民との出会いからみんなの笑顔を生みたい、そんな思いを込めた団体名のもとで、「食」という身近なものを通して日本に暮らす難民について知ってもらうことをめざす学生団体。学食での「難民の故郷の味」提供や、自主的な学習会を企画?開催している。 -
Moving Beyond Hate(学生団体)
Moving Beyond Hateは、日本そして世界から 人種/民族?障がいなどに基づくあらゆる差別をなくすために、新しい反差別運動をつくっています。10?20代の若い世代を中心に、差別にNOと言わない空気を突き破り、日本や世界からあらゆる差別の根絶をめざす学生団体です。
第5回 アフリカ?グローバリゼーション?BLM
講演者?講演タイトル
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中山智香子(大学院総合国際学研究院教授)
「世界システムとBLM:極東からグローバルサウスを考える」 -
武内進一(現代アフリカ地域研究センター/大学院総合国際学研究院教授)
「アフリカ研究者がBLMから学んだこと」
第6回 Black Lives Have Mattered: アメリカ文化と音楽におけるアフリカン?アメリカンと人種
講演者?講演タイトル
-
加藤雄二(大学院総合国際学研究院教授)
「アメリカ文化におけるアフリカン?アメリカンの表象とジェイムズ?ボールドウィン、トニ?モリソン」 -
橋本雄一(大学院総合国際学研究院准教授)
「音、名付け、〈背景〉?Eric Dolphy, Thelonious Monk, Charles Mingus, Max Roach, Duke Ellington, Roland Kirk 。たちの音楽?」
第7回 教育の平等と公正のはざまで揺れるBLM
第8回 BLMを芸術につなぐ
第9回 #MeTooとBLM
講演者?講演タイトル
-
小田原琳(大学院総合国際学研究院准教授)
「BLMと# Me Too」 -
大鳥由香子(世界言語社会教育センター講師)
「アメリカ社会における黒人の身体 女性と子どもを中心に」 - 高内悠貴(イリノイ大学アーバナ?シャンペーン校歴史学部博士課程)
第1回スピンオフイベント 「ヘイトスピーチ規制と表現の自由」
講演者?講演タイトル
-
奈須祐治(西南学院大学法学部教授)
「ヘイトスピーチと表現の自由 ― 憲法的考察」 - コメント:萩原優理奈(東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士後期課程)
- 司会:松隈潤 (東京外国語大学副学長、大学院総合国際学研究院教授)
第2回スピンオフ
2021年12月
講演者の都合により、中止
第3回 「BLM運動と大学 留学生の視点から」
報告者/報告タイトル
-
吉田晋也(ミネソタ大学ツインシティ校歴史学部博士課程)
「ミネソタ州とBLM:都市?人種?記念」 -
児玉真希(東京大学教務補佐員、ライス大学歴史学部博士課程)
「BLMが大学にもたらした変化:『ライス大学における奴隷制、人種隔離と人種不正義を是正するタスクフォース』を事例に」 -
山田優理(カリフォルニア大学ロサンゼルス校歴史学部博士課程)
「イン?ソリダリティ: 新自由主義時代のキャンパス?アクティヴィズム」 - コメンテータ:友常勉(東京外国語大学大学院国際日本学研究院教授)
- 司会:大鳥由香子(東京外国語大学世界言語社会教育センター講師)
中山俊秀 副学長からのメッセージ
この連続セミナーは、本学における多文化共生研究活動の一環として企画されました。東京外国語大学では、従来から多言語?多文化社会の理解が、研究教育活動の重要な軸でしたが、現在進めているアクションプランでは、多文化共生への寄与を中心的テーマにすえ、様々な活動を進めています。今回の連続セミナーは、研究面での多文化共生活動を作っていく「多文化共生研究創生ワーキンググループ」が立案をし、開催しているものです。
このセミナーでは、月一回のペースで、今その重大さを増している運動である「Black Lives Matter (BLM) 」に注目し、様々な面に焦点を当てて、その社会的、政治的意味を考えていきます。
シリーズを貫くテーマとしては BLMを中心に据えていますが、ここでめざしているのは、BLMを単に教養として知る?理解するということではありません。BLM運動が浮き上がらせている問題は、人種差別的な思想?態度を持った人々の行動といった単純な問題にとどまらず、格差、移民、経済社会的地位の没落など、グローバル化した複雑な現代社会の問題が多層的に絡んで形成されています。BLM運動を生み出している歴史、社会、経済的な諸要因の連関を掘り下げながら、何が差別的な構図を生み出すのか、何が人を差別的な行動に駆り立てるのか、なぜそれを変えようとすることが難しいのか、といった問題を考えていきたいと思います。
また、より重要なことは、BLM運動が提起している問題は、アメリカ社会におけるブラックの人たちだけの問題ではないということです。差別、格差、移民などの問題は、日本社会での問題でもあります。そして、差別の意識というのは、認めたくはなくとも、我々の日常にも、我々の中にも潜んでいます。そうした自分たちの社会、自分たちの中にある差別、それも考える機会として、このセミナーを生かしていきたいと考え、企画しました。BLMを、ブラックの問題、アメリカ社会の問題、つまり、他の人の問題、として捉えるのではなく、自分ごととして理解し、考える機会としていきたいと思います。
このセミナーシリーズは来年7月まで開催していく計画です。ご期待ください。
お問い合わせ先
東京外国語大学 連続セミナー担当
E-mail:BLM-seminar[at]tufs.ac.jp ※[at]を@に変更して送信ください。