本プログラムの沿革
本共同専攻は、今日 人類が直面するグローバルな課題―とりわけ開発、環境、平和に関わる問題―の解決に向けて取り組むことがサステイナビリティ(持続可能性)研究の使命と意義であるとの考えに基づいて2019年度に設立された、博士後期課程教育研究プログラムです。
「持続可能な開発(Sustainable Development)」という用語は、もともと「環境と開発に関する世界委員会」(ブルントラント委員会)が1987年に刊行した報告書によって世界的に広がったもので、そこでは環境問題が強く意識されていました。従来のサステイナビリティ研究においても、やはりその中心に環境問題が据えられていました。
一方、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」では2016年から2030年までの国際目標「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)」が掲げられ、環境問題にとどまらず、貧困、保健?衛生、教育、ガバナンス、平和など、開発に関わる幅広い問題がその対象とされています。本共同専攻もこのSDGsと同じく、幅広い射程から「サステイナビリティ」を捉えます。
本共同専攻では、国連によって理念として示されたこうしたSDGsを、三大学の強み―「言語?リベラルアーツ及び地域研究の教育研究力」(東京外国語大学)、「食料、エネルギー、ライフサイエンス分野の教育研究力」(東京農工大学)、「情報?通信(ICT)、人工知能?ロボティクス、熱工学分野の教育研究力」(電気通信大学)―を活かした文理協働の観点からの現実的な課題に焦点を定め、実践的な解決を目指す研究に取り組みます。
教員の交替に伴って各大学の具体的な専門分野には変更が生じますが、本プログラムの設立当初のビジョンは継承されています。