コース案内
「専門分野」を極める3つのコース
国際社会学部では、入学後に3つのコースに分かれて学修をすすめます。
コースの違いは、「専門分野」を極める学生生活後半の学びで特に重要です。
ただ、専門的視座は異なるにせよ、3コースは花壇に並び咲く3輪の花弁がふれあうように、多様なかたちでテーマを重ねています。
みなさんは、自分の掌のなかにあるテーマの種を、どのように育て、どのような花を咲かせたいですか。国際社会学部でのコース選びは、国際社会の大空へとむかうまなざしを鍛えていくための、とても大切な第一歩です。
オーダーメイドな学び
すべてのコースの学びは、「導入」科目?「概論」科目?「専門」科目と段階的に学びを進めることで、「知」に磨きをかけていけるようにデザインされています。
1、2年生の前半では3コースの視座を「導入」科目の授業で一通り学びます。国際職業人となるための幅広い土台作りを心がけ、自分だけの学びのスタイルを作り上げましょう。
地域のリアルを五感でつかむ
地域社会研究コース
誰もが肌で感じるように、今、グローバル化の進展にともない世界は激変しています。この前例のない時代、さまざまな地域の構造的理解がますます重要になっています。地域社会研究コースは、まさに“地域を見る目”を専門的に養う場です。私たちが扱うのは、そこに生活する人々の息づかいを感じて、はじめて掴めるリアルです。
世界は均質ではなく、非常に多様で雑多な地域性の結合です。その複雑さを理解するには時間軸(歴史)と空間軸(地図)、そして柔軟な視点の移動が必要になります。フィールドを歩きまわるネズミの目、空高く舞い上がり俯瞰する鳥の目、そして地に足を着けて日常を生きる生活者の目です。地域研究は「自分自身が社会とどう向き合うのか」を常に問われる場でもあります。傍観者ではなく、社会を構成する一人として、地域にかかわることの大切さをともに学びましょう。
Pick Up! 授業
オセアニア地域研究
担当教員:山内 由理子
近代国民国家を基本とする現代社会システムは植民地化のプロセスの上に成立しましたが、「先住民(族)」というカテゴリーも、そこにおいて形成されました。本授業においては彼らに関しての議論や研究を見てゆくことを通じて、「国民国家」「人権」「所有権」「環境」「文化」などの事象を批判的に検討する視点を養うことを目標とします。
現代世界の諸問題を批判的に洞察し、本質をつかむ
現代世界論コース
現代世界論コースは、現代の世界で生じる複雑多様な問題群に対し、柔軟で批判的な思考によって問題の本質をとらえ、そこに粘り強く働きかけることのできる力を身につけることを目指しています。
- 哲学、政治学、歴史学、社会学、人類学、教育社会学、ジェンダー論、グローバル?スタディーズ、レイシズム?スタディーズといった分野の授業が開講されており、それらを柔軟に行き来しながら、世界のさまざまな問題を考察する術を学びます。
- たとえば、資本主義と新自由主義、暴力と非暴力、環境破壊と気候変動、いのちと政治、ポピュリズムとファシズム、ツーリズムと自然、社会的不平等と教育、植民地主義とアジア、身分と階級、戦争とジェンダー、人種と労働、沖縄と民衆運動――これらを切り口に、オーソドックスかつ時代の最先端の研究に触れながら、従来の規範や価値観を問い直し、現代世界を読み解く知的な批判力?構想力を身につけることを目指します。
Pick Up! 授業
教育社会学
担当教員:加藤 美帆
学歴社会の拡大と変容、文化的再生産、ジェンダーと教育などのテーマから教育社会学の基礎理論を学びます。社会に埋め込まれている権力関係の再生産の過程を考察するための理論、知識を身につけます。
国際社会を生き抜くための知的技術を身につける
国際関係コース
-
専門を持つ
本学の学生は専門言語と専門地域を持ちます。しかし,あなたの「専門」はなんでしょうか。 国際関係コースでは学生それぞれの言語?地域の知識を活かし,国際社会を読み解くための知識と技術を身につけます。これこそがあなたの分析道具であり,専門的な知的技術となります。 -
体系的な学び
国際関係コースでの学びは,主に社会科学とよばれる学問領域に含まれます。各専門分野は,長い時間をかけて世界中で積み重ねられ,確立されてきた知識,理論,分析手法によって形成されています。本コースでは,各自の専門を図のように体系的に学びます。 -
学び続けるための技術
世界における考え方や技術は刻々と変化しています。国際関係コースの演習(ゼミ)では,自分の力で考え,分析し,伝える訓練を行うことで,卒業後も学び続けていく力を養います。
Pick Up! 授業
国際協力と紛争解決論
担当教員:篠田 英朗
紛争解決論は英語圏諸国では大学から企業等においてまで広範に教えられていますが、日本ではあまり見かけない授業かもしれません。ここでは人間が生きていく限り、日常生活において紛争からは逃れられず、必要なのは紛争がない世界を夢見る事ではなく、紛争に対処する技能を高め、準備を整えておくことだ、という認識から出発します。
国際的紛争の傾向や対応する政策、現代世界の地域紛争の事例や日本の紛争の歴史の捉え方まで扱いますが、考え方は家庭や学校における紛争対応の延長線上にあることを強調します。このように考えることにより、国際紛争を分析することによって、自分自身の生き方の改善を図っていくという視点を養います。