【お知らせ】司法通訳養成講座は、2023年度をもって一旦終了とさせていただきます。(2023.02.24掲載)
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グローバル化にともなって地球規模での人の移動がますます進む中、日本においても総人口の2%を超えて外国人が暮らすようになり、多言語?多文化化が進んできています。外国人にとって住みやすい日本社会を作っていくためにも、司法の現場において多言語?多文化化へ対応できる体制をしっかり作っていく必要があります。
東京外国語大学と青山学院大学は、法廷、捜査、弁護活動など様々な司法の現場で、異なる言語と文化のあいだに立ち、コミュニケーションの円滑化にあたれるスペシャリストを養成するため、「司法通訳養成講座」を開講いたします。講座修了後は、法廷のみでなく、捜査や弁護士との相談など、多様な場面での活躍が期待されます。
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「司法通訳養成講座」の特徴 ?信頼される司法通訳を目指して?
司法現場の第一線で活躍する講師陣による演習を少人数で行います。
★ 今年度は、タイ語、スペイン語、ベトナム語の3言語を開講予定
司法の現場では、通訳言語の多様化が進んでいます。本講座では、司法通訳としては学ぶ機会の少ない言語の講座を提供します。
★ 通訳技法にとどまらない専門知識を獲得
司法通訳には、法律や司法制度、さらには在留外国人を取り巻く制度や動向に関する専門的な知識が求められます。本講座では、司法の現場で求められる通訳技法や倫理のほか、多文化共生社会に関わる知識、法律用語や裁判のしくみなど、司法通訳に必要な背景知識を総合的に時間をかけてじっくりと学びます。
★ 質の高い通訳人材を養成
学習成果を確認するために、授業の中で試験を行います。こうして、信頼される、質をともなった司法通訳として活躍していただくことを目指します。
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講座の概要?お申込方法
講座名 | 司法通訳養成講座 |
開講期間 |
2023年度1年間(2023年4月開講予定) |
開講日 |
春期間 秋期間 |
開講場所 |
全講座オンラインにて開講 |
開講科目 |
?通訳概論 ?司法通訳Ⅰ?Ⅱ ?多文化共生基礎 ?法廷通訳実践Ⅰ?Ⅱ ?現代法実務論 ?は東京外国語大学担当 ?は青山学院大学担当 |
開講言語 |
タイ語、スペイン語、ベトナム語 |
受講資格 |
日本語と、開講言語のうちのどれか1言語について、高度な語学力があること |
募集人数 |
3言語 計20名程度 |
選考 |
(一次審査)書類審査 一次審査の結果は、2023年1月末までにお知らせします。二次審査は2月上旬に行います。最終結果は2月末にお知らせします。 |
受講料 |
年間 261,000円(予定) |
募集期間 |
2022年12月12日(月)10:00~2023年1月13日(金)23:59 |
申込先 |
東京外国語大学 多言語多文化共生センター |
募集要項 ?所定様式 |
※提出書類については、?募集要項の「出願手順」ページをご確認ください。 |
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カリキュラム
1限 |
2限 春 11:00-12:30 |
3限 |
4限 15:45-17:15 |
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春期間 | 通訳概論 | 現代法実務論 | 司法通訳Ⅰ | 法廷通訳実践Ⅰ |
秋期間 | - | 多文化共生基礎 | 司法通訳Ⅱ | 法廷通訳実践Ⅱ |
「現代法実務論」については、青山学院大学法学部の正課の授業を受講していただきます。
※ タイ語に関しては、「司法通訳Ⅰ」「司法通訳Ⅱ」は毎週金曜日の18:30-20:00に開講されますのでご留意ください。上記科目以外は、スペイン語、ベトナム語の受講生と同じカリキュラムを受講していただきます。
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学修成果の認定(司法通訳養成講座修了証)
本講座は履修証明プログラムとして開講されており、修了者には履修証明書を交付します。更に、各科目15回の授業のうち、全科目に12回以上出席し、かつ司法通訳Ⅰ?Ⅱおよび法廷通訳実践Ⅰ?ⅡのすべてにおいてA の成績評価を受けた方には併せて、両大学長連名の司法通訳養成講座修了証も発行します。講座修了後は、各種研修会等、司法通訳としてレベルの向上と質の継続的な確保を図る機会を提供します。また修了証を取得した方のうち、希望者を「司法通訳養成講座修了生」として登録し、司法関連機関から依頼があったときに紹介します。
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科目概要?講師
現代法実務論
刑事裁判は、人が罪を犯したかどうかを判断するための手続です。その刑事裁判の法廷で通訳として働くために必要な法律の知識を学びます。そのために、刑事裁判のしくみと、そこでの法律家たちの役割、そして被告人の立場を説明します。無罪推定など刑事裁判の基本になる原則も学びます。犯罪と刑罰を定める法律である刑法についても、基本になる考え方と窃盗、殺人など代表的な犯罪類型を解説します。その上で、被疑者(容疑者)取調べ、弁護人と被疑者の面会など、いくつかの場面での通訳を体験します。刑事法についての理解を確認する試験が何度かあります。この試験の結果のほか、平常点、体験授業での実技により、成績を評価します。
コーディネーター:佐竹 宏章(青山学院大学法学部助教。博士(法学)。)
各回講師:神奈川県弁護士会法教育センター派遣弁護士によるリレー講義
法廷通訳実践Ⅰ
憲法訴訟、民事事件、行政事件、刑事事件、家事事件などの訴訟のみならず、企業における予防法務やADR(訴訟外紛争解決手続)、交通事故案件、知財案件などの様々な法的領域について、現実に問題?紛争となる場面と、そこでの弁護士の役割を学びます。この科目は、神奈川県弁護士会法教育センターから派遣された弁護士による講義を中心としています。司法や法律相談で通訳を行う上で知っておきたい「現場」について、弁護士から直接に学ぶことで、具体的な法的問題と弁護士の活動内容の実践例に触れ、具体的なイメージを持つことができます。
後藤 昭(一橋大学法学部卒業。東京大学法学政治学研究科博士課程修了。法学博士。2018年度まで青山学院大学法務研究科教授。青山学院大学及び一橋大学名誉教授。)
法廷通訳実践Ⅱ
刑事法のほかに、家族や契約などに関する民事の法律についても、司法通訳が知っておきたい知識を解説します。民事裁判の基本的な仕組みも解説します。さらに、司法通訳に必要な倫理も確認します。その上で、論告、弁論、判決言い渡しなど、いくつかの場面での通訳を体験します。検察官、弁護人や裁判長の役は、受講者が交替ですることになるでしょう。弁護士、検察官など、法律実務家から見た通訳への期待を聴く機会も設けます。民事法、刑事法と通訳倫理についての理解を確かめる試験が何度かあります。この試験の結果のほか、平常点、体験授業での実技により、成績を評価します。
後藤 昭(一橋大学法学部卒業。東京大学法学政治学研究科博士課程修了。法学博士。2018年度まで青山学院大学法務研究科教授。青山学院大学及び一橋大学名誉教授。)
通訳概論
本講座では通訳の概論を取り扱います。通訳の形態や技術、学習法などについて、理論を通して考察する他、国内外の通訳の歴史も振り返りこれまで通訳行為が行われてきた経緯や背景を見ていきます。また通訳者の倫理規定や専門性などにも焦点を当て、言語的な要素のほかに通訳者に求められるものにはどういうものがあるかを検討します。さらに通訳者のセルフマネージメント(セルフケア)について専門家をゲストスピーカーとしてお招きし話を伺うほか、外国人問題を多く扱う弁護士からも話を伺う予定です。講義の中では適宜グループでのディスカッションを行い、能動的な参加や考察を促しながら、通訳という営為を多角的に捉えていきます。
講師:岩田 久美(大阪外国語大学イスパニア語科卒業。1992年よりフリーランス通訳。2011年東京外国語大学多言語?多文化教育研究センター「コミュニティ通訳コース」修了後専門家相談会等の相談通訳を担当。)
司法通訳Ⅰ?Ⅱ(タイ語)
司法通訳は、中立性を守るために細部にまで徹底した正確性が求められるだけでなく、さまざまな専門用語や言い回しが存在します。警察と検察の通訳の授業では、刑事手続における法律用語を学びます。刑事?民事事件などの過去の事例をもとに実際の状況をイメージしながら通訳訓練を行います。弁護士通訳の授業では、刑事事件の接見通訳と民事事件の弁護士面談時に頻出する場面設定を行い、覚えるべき用語やフレーズを習得します。法廷通訳と出入国在留管理庁通訳の授業では、起訴状や事件に関わる資料に出現する専門用語や独特な表現の訳し方を学びます。現場で役に立つ通訳技法や注意点も伝授します。
講師:
- 中島 マリン(早稲田大学第一文学部卒業。成蹊大学でタイ語講師。東京地方裁判所など司法通訳?通訳人の講師。「タイのしきたり」など著書多数。)
- Homsuwan Wasna(ホムスワン ワサナ)(東洋学園大学大学院現代経営研究科修士課程修了。民間企業や官公庁の講師を経て、神田外語大学、神田外語学院アジア言語学科及び警察大学校などのタイ語講師を務める。)
- 吉川 由佳(東京外国語大学外国語学部タイ語学科卒業。警視庁タイ語講師を経て司法通訳、官公庁、民間企業、商談、観光促進視察など各種通訳。司法?観光関連の翻訳。通訳案内士。)
司法通訳Ⅰ?Ⅱ(スペイン語)
目的1:司法通訳ができる通訳者の養成
目的2:通訳全般に通じる基本訓練
授業内容1:法廷通訳など司法通訳全般に関する理解と通訳訓練。日本語の法律用語に相当するスペイン語の単語や表現/現場で頻出するフレーズの訳出訓練など/模擬公判通訳訓練(シナリオ:オリジナル)/接見通訳訓練/捜査通訳訓練
授業内容2:通訳全般に通じる基本訓練。シャドウィング訓練/リプ ロダクション訓練/メモの取り方/サイトトランスレーション(サイトラ)訓練(日本語からスペイン語)これらを組み合わせて進めていきます。なお、通訳方法は(同時通訳ではなく)逐次通訳の訓練が基本になります。
講師:中西 智恵美(東京外国語大学外国語学部スペイン語学科卒。日本スペイン協会、湘南工科大学(非常勤)、I SS通訳研修センター等でスペイン語講師。1990年10月から東京高等裁判所など各地の裁判所にて法廷通訳。2019年度より本講座の講師を務める。)
司法通訳(ベトナム語)Ⅰ?Ⅱ
本授業の達成目標は、2つあります。1つ目は、司法通訳がいかなる行為であるか、司法通訳人にいかなる心構えや役割が求められているかを理解することです。2つ目は、ノートテイキングなど司法通訳に従事する上で必要な技能を体得することです。その目標を達成するために、現場に即した教材を活用して、定型文言の訳出訓練に加え、ディスカッションやロールプレイングも取り入れて、受講者の主体的?能動的な学習を促していきます。
講師:Tran Thi My(チャン?ティ?ミー)(ハノイ国家大学外国語大学大学院研究科日本語学修士課程修了。東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士前期課程日本語教育学専修コース修了、同後期課程言語文化専攻修了。2008年からビジネス通訳者、2016年より司法通訳人として活動。)
多文化共生基礎
グローバル化の加速により、日本社会の多言語?多文化化が進行するなか、ホスト社会と在留外国人とのあいだで様々な問題が顕在化してくるようになり、全国各地で多分化共生の推進が急務となっています。本授業では、在留外国人を取り巻く動向や歴史的経緯、政策や制度などの基礎的知識を身につけるほか、様々な課題に最前線で取り組む方々を講師として招き、リレー形式で「多文化共生のいま」をテーマに講義を行います。
コーディネーター:小島祥美(東京外国語大学多言語多文化共生センター長。世界言語社会教育センター准教授。)
各回講師:多文化共生などの分野における専門家によるリレー講義
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注意事項
- 受講者の決定
- 一次審査として書類選考を行 い、結果を全員の方に通知します。選考を通った方には二次審査を実施します。
- 受講料納入
- 受講料は前納制です。受講決定者に対し本学より送付する受講案内をご覧の上、期日までに指定口座に受講料を納入してください。口座振込に係る手数料はご本人負担でお願いします。一度納入された受講料は払い戻しできませんので、ご了承ください。
- 受講のキャンセルについて
- 受講決定後、やむを得ず受講を取り消される場合は、速やかに青山学院大学庶務部社会連携課まで電子メールでご連絡ください。
- 休講?補講
- 講師の都合および主催者側の通信?機器トラブル(※)により休講となった場合には、原則として補講を行いますが、天災等の事情により、やむを得ず休講となる場合は、原則として補講を行いません。
※連続して30分以上配信できなかった場合。受講生側のインターネット接続が切れて受講できなくなった場合も補講は行いません。
- 講師の都合および主催者側の通信?機器トラブル(※)により休講となった場合には、原則として補講を行いますが、天災等の事情により、やむを得ず休講となる場合は、原則として補講を行いません。
- 録音?録画?写真撮影
- オンラインで行われる授業の様子を出席者の許可なく写真にとり、それをSNSなどで共有することや、講師の許可なく、授業の内容を録音?録画し、それを公開することは固くお断りします。
- 受講資格の取り消し
- 次のような好ましくない行為があった場合は、教室からの退出、受講の停止、もしくは受講の取り消しをすることがあります。なお、受講料の返金はいたしません。
- 他の受講生の迷惑となる事や、授業の進行を妨げる様な行為を行った場合
- 受講の手続きや受講料の納付を完了していない場合
- 法令等や公序良俗に反する行為があった場合
- 配布されたZoomによる授業のURL、ミーティングIDやパスワードを他人と共有する行為があった場合
- オンライン授業で配布された資料等を、担当教員の許可なく再配布する行為があった場合
- その他受講案内等に反する行為があった場合
- 次のような好ましくない行為があった場合は、教室からの退出、受講の停止、もしくは受講の取り消しをすることがあります。なお、受講料の返金はいたしません。
- その他
- 受講生側の機器接続不良による受講料の返金は致しかねます。あらかじめご了承ください。
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お問い合わせ先
東京外国語大学 多言語多文化共生センター
〒183-8534 東京都府中市朝日町3-11-1
? 042-330-5867
e-mail tc-jimu[at]tufs.ac.jp([at]を@に変えて送信ください)
青山学院大学 庶務部社会連携課
〒150-8366 東京都渋谷区渋谷4-4-25
? 03-3409-6366
e-mail agu-socialcoop[at]aoyamagakuin.jp([at]を@に変えて送信ください)