2016年度 活動日誌
3月 活動日誌
2017年3月
GJOコーディネーター 安 昭映
先月、LCCの 済州(チェジュ)航空が仁川(インチョン)と福島とを結ぶ3月からのチャーター便に関するニュースが大きく取り上げられた。東京電力福島第1原発事故に伴う健康被害を恐れて乗務を拒否する乗務員が相次いだり、この機体を利用する乗客からも不安を訴えているということ。結局、 済州(チェジュ)航空はチャーター便の出発地を福島空港から仙台空港に変更することを発表した。このニュースのため仙台への関心も高まり、仙台地方は放射能から安全な地方なのかという問い合わせがたくさん寄せられ、これを受けて知り合いから宮城県ソウル事務所の所長を紹介していただくことにした。
早速アポをとってソウルの中心部にある宮城県ソウル事務所へ訪問した。所長及び事務所のスタッフの方々がご親切に迎えてくださった。所長に大学生らからのよくある質問などを伝えたら先ずは宮城県の放射線?放射能をリアルタイムで確認できる放射能情報ページ(http://www.r-info-miyagi.jp/r-info/ko)を直接見せてくださった。日本語はもちろん韓国語?英語?中国語でも閲覧できるので日本語がわからない学生も簡単に情報を得ることができる。また、福島から遠い地方の放射線量とも比べて確認させてくださったので、みんなが最も懸念する放射線?放射能から全く安全だということが分かった。
そして、日本三景の一つである松島をはじめ蔵王など、韓国人にはあまり知られていない観光地や食材豊かな宮城県のグルメなどを紹介していただいた。2時間近くお邪魔したのだが宮城県について全て聞くことができないほど見どころも食べ物も豊富な地域だと思った。所長も1日で全部は説明できないので、宮城県が制作し運営している宮城観光ナビサイト(https://www.pref.miyagi.jp/site/kankou-ko/)と宮城県ソウル事務所サイト(http://www.miyagi.or.kr/)を教えてくださった。
宮城県についてなら電話でも相談ができて希望すれば宮城県ソウル事務所に見学して説明を聞くこともできるし、希望者が大勢いる場合、所長が宮城を紹介に学校まで来てくださるという。いつも学生らにはネット上のデマに振り回されないで客観的な情報だけを受け入れてもらいたかったので、とても力になるありがたい提案でうれしかった。GJOソウル事務所のほうからも正しい情報を伝えるために協力できることがあったらぜひ協力しますし、これから両方とも協力し合っていきたいという意見を交わした。長い時間ご相談してくださった宮城県ソウル事務所に感謝する。
2月 活動日誌
2017年2月
韓国外国語大学校GJOコーディネーター 安 昭映
先月、学生たちに各地域別韓国事務所を紹介した。学生は旅行前に旅行先の事務所に行って観光のパンフレットや地域案内のパンフレットは手に入れたが、事務所がとても静かで声をかけづらく食堂の問い合わせなどはできなかったそうだ(笑)。それでもパンフレットは旅行に役に立ったし、旅行の情報だけではなく地域の情報が載ったパンフレットもあって旅行先の地域について勉強することもできてよかったそうだ。これからもこのような形で地域情報に関してお世話になることが多くなると思い、各事務所へ下見に回ってきた。
1. 長崎県ソウル事務所
ソウルの中心部「光化門」に位置している長崎県。下見が目的だったのでアポを取らないで行ったのだが、ご親切に長崎県所長が長い時間を費やして長崎県の紹介やソウル事務所の活動現況を案内してくださった。長崎県ソウル事務所もGJOも日本のことを韓国に発信するという共通の目的を持っているので、これから協力できることがあったら連絡を取り合うことにした。
長崎県ソウル事務所は 一般財団法人自治体国際化協会ソウル事務所の一つの件で、長崎県のほかにも茨城県、富山県、京都府、鳥取県、愛媛県、高知県、宮崎県、鹿児島県からの派遣職員も常駐しているので、各県についての情報をいつでも提供してもらえる。
2. 静岡県ソウル事務所
長崎県ソウル事務所から徒歩5分、ソウル市庁の近くに位置している静岡県事務所。学生が言った通りとても静かな雰囲気だったが、声をかけたら副所長が笑顔で出てきてくれた。名刺を渡してGJOの活動や目的を伝え、副所長から静岡県の紹介や事務所の活動も聞かせてもらった。静岡県ソウル事務所には韓国人のスタッフがいて韓国語で相談も可能なので、気軽に問い合わせをすることができるという。
3. 沖縄県事務所
長崎県ソウル事務所の隣に位置してる沖縄県ソウル事務所。 秋山成勲が出演した韓国のバラエティー番組でも紹介されたこともあって観光地として知られている。観光案内を中心としたパンフレットが豊富だ。テーブルも設けてあって、事務所でじっくり閲覧することができる。
4. 新潟県ソウル事務所
静岡県事務所から徒歩3分、長崎県事務所から徒歩8分のところに位置している。事務所の空間がオープンされていて他の事務所より声をかけやすい。 川端康成の小説『雪国』は韓国でも有名で、雪国をアピールするパンフレットが目立つ。
韓国人のスタッフにGJOの活動目的を伝え、これからGJOから訪問する学生への協力をお願いした。
各事務所のホームページを見たら各自治体の情報の発信が主な活動で、GJOが各事務所からその活動を通じた協力を得れば今までより専門的で、公信力のある情報を伝える活動ができるのではないかと思った。そこで、事務所のスタッフの方と実際会ってGJOについて案内をし協力をお願いしたら、ご協力してくださることを約束してくださってとてもありがたかった。 特に、多くの韓国の大学生の参加を求める自治体の行事やイベントがあるというので、GJOが力になれることがあったらぜひ協力したいと思う。これからお互いの力を合わせることでもっと大きなシナジーを得ることを期待する。
1月 活動日誌
2017年1月
ソウルオフィスコーディネーター アン?ソヨン
12月末から2月末までは冬休みなので学校は閑散としている。そして1月には韓国の民族的な2大祝祭日のひとつであるお正月(元旦)がある。
韓国のお正月は旧暦のお正月を過ごすので毎年のお正月が1月中旬から2月のはじめの間になることが多く、今年は1月27日から30日までの短い4連休のお正月だった。
韓国の伝統的なお正月の風景といったら、帰省する人々で高速道路やKTX(日本の新幹線にあたる)の駅が込んでいて、普段会えなかった親族と集まって一緒にお正月を過ごすのが一般的だった。しかし、最近ではその風景も変わり、帰省の代わりに旅行に行く人々で空港が込んでいる。お正月の連休を使って海外旅行に行く家族が増えてきたからだ。今年のお正月は4日だけの短い連休で、日本や中国、東南アジアなど韓国から遠くない国が人気だったそうだ。
お正月に日本へ家族旅行に行く学生たちがいて、旅行の計画を立てるのに聞きたいことがあるとソウルオフィスに問い合わせてきた。ネットやガイドブックを中心に計画を立てているが、ほとんどが観光客向けで観光客がたくさん集まるところばかりだという。地元の住民のおすすめの穴場を紹介をしてほしいということだった。しかし、私も彼らが旅行に行くところの地元の人ではないので穴場の情報は乏しい。それで日本現地の人がスタッフがいる在ソウル県事務所を紹介した。全国の観光情報をまとめている日本政府観光局ソウル事務所をはじめ、各県を韓国に知らせるためにソウルに事務所を出している宮城県、北東北三県?北海道、新潟県、長崎県、静岡県ソウル事務所を紹介した。各県の事務所がソウルの中心部に位置しておりアクセスも便利で、各県から派遣されたスタッフが駐在しているので彼らの探している地元の住民の穴場も聞ける。事務所には観光情報のほかにも地域の情報も豊富で各県が製作した詳しい内容のバンフレットなども置いているので、旅行前に目を通せば日本を倍以上楽しめるというこつも伝えた。ネットやガイドブックでは覚えられない体験や記憶に残るいい思い出をいっぱい作ってきてほしい。
12月 活動日誌
2016年12月
ソウルオフィスコーディネーター アン?ソヨン
12月4日ソウルで日本語能力試験(JLPT)が行われた。試験のために長い間図書館に集まって勉強をして、解決できなかった問題があったらGJOに質問に来ていた学生たちも今回の試験で積んできた実力を披露した。試験も終わりリフレッシュがしたいのだが、遊んでばかりでは今まで積んできた知識が吹っ飛んでしまうのではないかと不安なので日本語を手放さないで楽しめる方法があったら教えてほしいと聞きにきた。
動詞の活用を覚えるのが一番大変で、今でもいまいち理解ができないというので、動詞の活用を楽しく覚えられるカードゲームを提案したら、みんな喜んで提案を受け入れた。
易しい語彙のオレンジ色の名詞カード、ピンク色の副詞カード、緑色の動詞(基本形)カード、黄色の形容詞カード、白の文法カードを各3セット用意した。そしてわたしがホストになり次のようにゲームを進めた。
*グループ活動
1.くじ引きで一つのグループに3人ずつ、三つのグループをつくる。
2.各グループに動詞カードを配る。カードの語彙の意味を調べて熟知する。また、五段動詞、一段動詞、変格動詞に分類する。
3.各グループに文法カードを配る。カードの文法の意味を調べ、動詞とつなげるときの活用型を熟知する。
4.一人ずつ動詞のカード一枚をとり、各文法カードに合う活用型に変えて他の二人に教えたり、活用型が間違った場合はみんなで正しく直したりしながら活用練習をする。
5.各グループに名詞カードと副詞カードを配る。カードの語彙の意味を調べて熟知する。
6.カードを組み合わせて自由に作文してみる。
*全体活動
7.韓国語と助詞の使い方が異なる形容詞や動詞を確認する。例:~が好きだ。~が下手だ。~に~てほしい。など
8.ホストが韓国語の一つの文を読み上げると持っているカードを並べて速く完璧な日本語の文にするチームが勝ち。
日本語と韓国語は語順など類似している点がたくさんあるのでほかの言語より容易に学べるといわれているが、助詞の使い方が異なる場合が意外と多い。その故にわざと助詞のカードは用意しなかったためか8番の活動の際、意外と助詞の間違いで誤答が続出して正解までけっこう時間がかっかた。
約2時間にわたるゲームだったが、誰一人疲れる様子を見せずに最後までゲームに夢中になっていた。ゲームが終わったあとみんなに感想を聞いた。
-ゲームで日本語を勉強したのは初めて。ゲームをしただけなのに勉強もできて新鮮でとても楽しかった。
-勉強したほど試験の出来がよくなくて日本語の勉強に嫌気がさしたところだったが、ゲームが楽しくてまたやる気が出た。
-カードを繰り返し確認しなければならなかったので、語彙や文法に何度も触れ、自然に覚えることができた。
-ゲームで覚えた単語と文法はこれからも忘れないと思う。
-どうしても覚えられなかった活用とか語彙が2時間で覚えられて不思議だ。
-この勉強法だったらN1まで勉強が続けられそうだ。
-負けず嫌いで、ほかのチームに負けたくなくてつい熱中してしまった(笑)
-今までは一人暗記したので孤独で寂しい気分もしたが、今日はお互い教えてあげたり、みんなで力を合わせて合作できて楽しかった。
-これからも定期的に勉強した内容をゲームで確認したい。またゲームがしたい。
-こんなに楽しい勉強法があったら試験を受ける前に聞くんだった…そうしたらもっといい点数がとれたはずなのに…
外国語の勉強ということは自分との闘いともいえる。そして外国語検定試験はその闘いの節目になる。節目に疲れを取れなかったりリフレッシュできなかったりすると勉強を手放してしまうこともしばしばある。だが、このゲームを通じて疲れ切った学生にリフレッシュしてもらい、勉強に再び励むやる気も出してもらってこのゲームを企画した私もやりがいを感じてとてもうれしかった。
11月 活動日誌
2016年11月
ソウルオフィスコーディネーター アン?ソヨン
ここ数年日本に関する質問で最も多く聞かれることは「放射能」である。2011年に起きた東日本大震災以降、日本への旅行や留学の減少はもちろん日本製の食べ物、化粧品、特に赤ちゃん用品などの使用を避ける人が著しく増加した。ところが、地震から安全だと思われてきた韓国でも原発から遠くない慶州(キョンジュ)で相次いで地震が起きていて、福島原発事故や地震に対する関心が再び高まった。ちょうど韓国のテレビ局(KBS)で福島の仮設住宅に住んでいる子どもを取り上げた 『豆腐ハウス-福島にすむということは(原題:?????-????? ??? ??)』というドキュメンタリーを放送したので、今まで地震や原発に興味を見せていた学生たちとドキュメンタリーを見て地震について話し合うことにした。せっかくなので同テレビ局の 『特派員報告-世界は今(原題:????? ??? ??)』の「日本の多重利用施設の地震対応システム」も続けて見ることにした。
福島の仮設住宅に住んでいるユウキとミサキが主人公で、韓国の芸術家が毎年福島で開催している公演の特別出演が決まり、ユウキが書いた詩に韓国の作曲家が韓国の子どもたちとメロディーをつける作業をするところから始まる。ユウキとミサキは浪江町に住んでいたが、7歳の時震災が起き、何か所の避難所生活をしてきた末に今の仮設住宅に定着している。彼らは白くて四角い形をしている仮設住宅を「豆腐ハウス」と命名し、彼らの仮設住宅での生活ぶりなどを紹介する。ユウキとミサキのお父さんたちも出演し、家族を失い、跡さえ残っていない故郷に対する思いなどを語る。また、福島県内でも避難民に対する差別の視線などの暗いところも映っている。
(公演) ユウキとミサキの順番になった。メロディーをつけた韓国の子どもたちが映像で彼らを紹介する。彼らが歌う「豆腐ハウス」の歌をみんなは聞きながら対面している現実をもう一度確認する。いまだに原発問題は続いているが、徐々に回復していく中で、子どもたちの未来があると信じる。
50分余りの映像を見た後、涙ぐむ学生もいた。質問や感想の時間は30分にしていたが、予想時間を過ぎて1時間以上も続いた。みんなが口揃って「今までは放射能の危険性ばかり考えていて、被害者のことはまったく興味も持たなかった。しかしこのドキュメンタリーを通じて自然災害に対するもう一つの見方が出来た」と言った。
私もいつも「大丈夫ですか。」「危なくありませんか。」「日本政府の発表を信じてもいいですか」「放射能の怪談を聞いたのですが本当ですか。」など、放射能への恐怖や危険性ばかり聞かれていたのだ。しかし、今回のドキュメンタリーの視聴で20人近くの学生たちが東日本大震災に対する考え方や見方が変わってきていることを確認することができた。50分余りのドキュメンタリーの視聴はとても意味のある時間だったと思う。
[質問や感想]
-仮設住宅に住んでいる人はいつになったら故郷に帰ることができるんですか。
-原発事故が起きたところからもう少し遠いところに仮設住宅を建てたほうがよかったのでは?
-ほかの地域に住んでいる親戚から復興のための資金などの援助はないんですか。(韓国は結婚してからも家族との血縁関係を大事にする傾向があるのでこのような質問もあった)
-福島県内でもいじめとか差別があるということは、日本人も原発事故の危険性を知っているということですか。
-「彼らを助けることは忘れないこと、関心を持ち続けること」というナレーションが心に響きます。
-今まで私たちだけが放射能で被害を受けていると思っていました。故郷に帰れないでいる避難民たちの存在を知って反省し、東日本大震災を見直すことができました。
-韓国ももう地震から安全ではないので直ちに日本のようなシステムを取り入れるべきだと思います。
-日本人のアイディアに感心しました。
-子どもの時から地震訓練をしているから地震が起きた時の日本人の対応が的確で落ち着いているところが素晴らしいと思います。韓国は地震訓練を機関に申し込んで体験することができますが、体験ではなくて機関で義務的に訓練を実施してほしいです。
-故郷がキョンジュですが、韓国の政府が東京電力を教訓に原発対策を早くしてほしいです。家族が心配です。
-放射能の潜伏期が30年だと専門家が言っていますが、ユウキとミサキが30年後も元気でいてほしいです。
-家族を失い、遺体も見つからず、写真一枚も残っていない人の話がとても悲しかったです。なくなった家族を追憶できる遺品一つでもみつかってほしいです。
-韓国に対する日本政府の行動はまったく気に入らないのですが、同じ人間として被害者の生活は胸が痛みます。私があの立場だったらどうだったのかなと思うと悲しくて苦しくてしかたありません。
-東日本大震災のとき、韓国から援助金を渡すのが理解できませんでしたが、このドキュメンタリーをみて反省しました。復興してほしいです。
-何より子どもたちのことが一番かわいそうで、でも明るく生活しているのを見てほっとしました。
10月 活動日誌
2016年10月
ソウルオフィスコーディネーター アン?ソヨン
2016年10月2日、『日韓交流おまつり』がソウルのCOEXで開かれたので行ってきた。『日韓交流おまつり』は日韓国交正常化40周年を記念に2005年から日本と韓国で毎年開かれる日韓文化交流イベントである。性別、国籍、年齢に関係なくみんなが参加してお互いの文化の違いを理解し、お互いを尊重しあうきっかけになることを目的としている最大規模の日韓交流行事である。
実は、8月に日本広報文化院に挨拶に行った際に『日韓交流おまつり』のポスターを頂いて事務所で広報していた。興味を見せた学生も大勢いて、彼らも今回のお祭りに見物に行った。
*舞台
*自治体ブース
*企業ブース
*体験?イベントブース
*フード?販売ブース
日韓政府機関や企業が参加する祭りなだけに他の日本文化体験イベントより規模がはるかに大きく、アイテムや企画も豊富で、一日中見たり食べたりやってみたりこれらが無料で体験できることはとても魅力的だった。韓国人の来客も多かったが、以外と日本人の来客も多く、ブースで混ざり合って体験している姿は本当に「交流おまつり」のようだった。言葉が通じなくても伝えようとする気持ちを込めて身振り手振りで一所懸命説明すると伝わるという経験はお互いにとって特別な思い出になると思う。 日韓関係が悪い中、民間ではこのような交流が12年間続いていることはうれしい。
*『日韓交流おまつり』に行ってきた学生の意見
- 日本人が韓国語で伝統遊びの説明してくれたり、親切に写真を撮ってくれて思い出になると思う。
- フォトゾーンも多く、着物を着たり、コスプレの人と写真が撮れてよかった。インスタグラムに投稿する思い出の写真がいっぱい撮れてうれしい。
- 韓国で日本の食堂が流行っているんだけど本場の味が味わえてよかった。
- 旅行中には体験できない日本の伝統文化が体験できてよかった。
- 日本で子ども時代にやる遊びを大人になった今体験する異色体験がよかった。
- 言葉が通じなくても一緒にゲームしたりできた。お互いの文化を理解するのに言語が絶対的な条件ではないと思った。
- 韓国にも似ている遊び(折り紙、投壺遊び、餅つきなど)があって、両国には大きな違いもあるけど、共通点もいっぱいある同じ文化圏にいるんだなと思った。
- 日本の芸能人の公演を近くで見られてよかった。
- 一日で終わって残念。日本人のスタッフみんな親切。
- コスプレをする人を近くでいっぱい見たのは初めて。韓国のアニメのコスプレはなくて残念。
- 伝統公演は意味がわからなかった。公演前に踊りについて説明してほしい。
9月 活動日誌
2016年9月
ソウルオフィスコーディネーター アン?ソヨン
韓国では毎年日本留学フェアが開かれているが、今年は9月10日プサンのBEXCO、11日ソウルの SETECで二日間開かれた。日本は韓国で知名度のある大学も多く、かつて留学先として魅力的な国だったが、東日本大震災を境目に日本への留学の人気が下落した。しかし、最近では留学率が回復しつつある。日本の大学への留学に興味を持った大勢の学生で会場は賑やかだった。
会場までは地下鉄の駅から歩いてわずか1分距離だが、会場までの道は日本留学試験の学校を広報する人々でいっぱいだった。
*主催及び後援機関
日本留学フェアを主催した機構。
学校情報、日本留学試験、奨学金、学費など、日本留学全般について相談することができるので、学生と保護者も一緒に相談をしている。
専門学校や日本語学校全般(卒業後の進学や就職も含む)について相談ができる。
ビザの案内からJETプログラムの案内と文部科学省の国費留学制度を案内をしている。特に国費留学の場合、学費や生活費を補助してもらえるため、相談する人々で終始混んでいる。
渡日前の入学許可の案内及び日本留学試験の日程、学校、文部科学省私費留学生のための学習奨励費制度などの日本留学試験の全般を案内をしている。
日本に留学して就活の経験を有する留学生が卒業後の進路や就活についての質問に答えてくれる。良い就職先を目指すのも留学の目標の一つであるため、学生と保護者(両親)も一緒に相談をしている。
現在日本に留学している留学生や、留学経験者が自らの経験を通じて進学相談に応じている。日本での生活情報や経験したことを伝えることで、他国に留学させることを心配する保護者(両親)も日本の生活について把握できる。
*参加企業(5か所)
海外で家探しをすることや、借りることはなかなか難しい。留学の際、最も重要な家探しの方法や条件などを紹介している。
*大学/短期大学(63か所)
芸術を専攻している学生が長い行列を作っている。
「最高名門私立大学」「留学生のための奨学金制度」「企業が好む高い就職率」「韓国の協定校多数」などと広報をしていて長い行列ができている。
(「国立」大学であることを強調している。)
韓国でも名門大学として広く知られているため、この会場でもっとも長い行列である。
*専門学校、日本語学校(63か所)
「日本現地で就職」「JLPT合格者は入学金免除」などの案内文句が目立つ。
専門学校ブースの場合、主に「就職」をアピールしている。日本語学校の場合「短期留学」プログラムなどを案内している。
日本への留学や研修などの相談でよく聞かれる質問は「日本語を勉強したら就職に役立ちますか」「奨学金などで学費を補助してもらえる制度はありますか」など、「就職」や「学費」に関する質問だった。今回のフェアでも「就職」「学費」に関する相談をするブースには多くの人が並んでいたので、留学を考えるとき考慮する事項を再確認することができた。また、留学するなら韓国でよく知られている大学、聞けばみんなが分かる大学を選ぼうとする志向も把握した。
特に短期留学プログラムは韓国所在の留学試験学校でも活発に展開しているので、東京外大の短期留学プログラムをSNSで紹介していきたいと思う。
入り口でもらった韓国版のパンフレットは留学だけではなく、日本の生活についてもとても有益な内容が載っているので自由に閲覧できるように事務所に設置した。
8月 活動日誌
2016年8月
ソウルオフィスコーディネーター アン?ソヨン
1.知り合いと在韓国日本大使館公報文化院の話をしていたら公報文化院で日本への留学生の誘致するお仕事をされる方がいらっしゃるということで、知り合いを通して紹介してもらった。篠田智志一等書記官と公報文化院でGJOの事業の内容を説明した。公報文化院で展開している事業との共通の分野もあり、私個人では企画が難しい文化のイベントなどはこれから公報文化院で開く日本留学フェアや日本文化祭りのイベントなどをGJOも活用させていただくことにした。
それから公報文化院の内部を見学させてもらった。
留学相談室。職員の方が常駐して相談を受けている。東京外大をはじめ日本の多くの大学のパンフレットが置いてあった。
視聴覚室。映画やコンサートDVDが揃っていて自由に視聴ができる。
閲覧室。日本語や韓国語の日本の漫画や書物。最新の雑誌も置いてある。書籍などは貸出も可能。
2階には先月に報告したイベントが開催される部屋がある。
ネットやスマートフォンで日本文化を簡単に体験できるが、このように日本の専門家が催した日本の文化を体で直接触れることができる場所がソウルのど真ん中にあることはとてもうれしい。展示会の回転率も高く多様な日本文化を気軽で楽しく体験できる公報文化院を楽しんでもらいたいと思う。
2.東京外大の立石博高学長ご夫妻と五十嵐孔一教授がソウルにいらっしゃり、韓国外大の金仁喆総長ご夫妻との夕食会があった。夕食会後、ソウルオフィスに関する打ち合わせをした。
7月 活動日誌
2016年7月
ソウルオフィスコーディネーター アン?ソヨン
6月に開いた『日本の映画から学ぶ日本の文化』で発表者及び参加者が「金魚すくい」の場面を印象深く見て体験してみたいと言っていた。そこで、ソウルで金魚すくいなど日本の文化が体験できるところがあると聞き、「日本の歳時風俗展」が開かれている日本大使館の公報文化院へ見学に行ってきた。7月25日(月)から 8月6日(土)まで在韓国日本大使館公報文化院2階のギャラリーで無料で観覧ができる。かつてない猛暑の中、大勢の人々が文化体験を楽しんでいた。
公報文化院は駅から歩いて10秒のところに位置していてアクセスもいいので『日本の映画から学ぶ日本の文化』の参加者に、このイベントのパンフレットを渡したりSNSで伝えたりして、大学が夏休みのこの機会に直接体験することを勧めた。
インターネットなどの視聴覚資料で日本文化を見ることは簡単にできるけれど、このように直接触り、目にし、体験することはなかなかできない。なにより出所のわからないネット上の日本の情報よりも日本大使館が主催するイベントなので信頼できる。これからこのように体験ができるイベントが開かれたらソウルオフィスで団体見学を企画したいと思う。
6月 活動日誌
2016年6月
ソウルオフィスコーディネーター アン?ソヨン
1.6月は期末テストがあり、7月3日には日本語能力試験があるので、それらに向かっての勉強や試験に関する相談にのった。特に日本語能力試験はあと1か月だけなので新しい内容を勉強するより今まで勉強してきた内容をまとめたノートをもう一度確かめることを勧めた。やはり普段から日本のドラマやバラエティー番組を見ている学生はリスニングがよくできて、テキストで勉強している学生はリーディングがよくできるので、自分の長所を生かして苦手なところをスキルアップする勉強法を教えたら反応が良かった。
2.先月の交流会を経験した学生は日本人と接したことで、今まで日本について興味のなかった学生も、日本に対して反感だけを持っていた学生も日本について興味をもつようになったようだ。日本の文化を楽しく学びたいという声があって、日本の映画を通じて日本の文化について調べる『日本の映画から学ぶ日本の文化』の発表会を開くことにした。交流会に参加した学生から希望者を募集し、交流会に参加していない学生でも日本の映画に興味を持っていたら参加するよう声をかけた。
希望者13人を2つのグループに分けて「千と千尋の神隠し」と「菊次郎の夏」の2つの映画を紹介することにした。
『千と千尋の神隠し』
登場人物、あらすじなどを紹介し、映画に出るお銭湯と温泉旅館をテーマにして「日本のお風呂文化」について発表した。
『菊次郎の夏』
「菊次郎の夏」も同じく登場人物、あらすじを紹介し、映画のお祭り場面をテーマにして日本の「お祭り」について発表した。
[感想]
?日本の映画も面白いことがわかった。
?調査をする過程で日本語の勉強もできたのでよかった。
?納得のいかなかった場面も発表会の調査していくうちに理解するようになった。
?1つの映画に発表テーマにできる日本の文化がたくさんあったので、もっと調べたい。
?映画の舞台になった場所へ旅行したい。
?もう一度発表会を開きたい。
?調査をする前に見た映画とした後に見た映画はまったく違う映画に感じられた。
?(交流会に参加していない学生)交流会にぜひ参加したい。映画について話したい。
交流会が終わった時までも映画の発表会にまでつながるとは思わなかった。特に連日マスコミなどで否定的な日韓関係を報じている中、自発的に相手の国のことを学び、相手を理解しようとする姿勢がとても偉いと思えた。また、事前にこのような発表会などで日本について勉強をしてから交流会を開いたら相手に対する理解がさらに深まったのではないかと思った。
5月 活動日誌
2016年5月
GJOソウル?コーディネーター 安 昭映
東京外国語大学から日本人の学生の連絡先をもらって本格的に交流会の準備を始めた。まず、交流会に参加を希望する韓国人の学生を募集したが、20人以上の学生が交流会の参加を希望したのでソウル所在の専門学校の講義室を提供してもらうことにした。そして日本人の学生たちを招待し、5月25日に交流会を開いた。
交流会の日程が決まる前からも交流会に関心が高くて日本語のあいさつや自己紹介を練習したり気になる日本のことを質問するために日本についてリサーチしたりして韓国人の学生たちなりに交流会の準備をしたそうだ。日本人の学生を迎えに行く時もあまりにも大勢の学生が同行したいと言ったので、じゃんけんで迎えに行く人を決めるほど、みんなが交流会に期待をしていた。
東京外国語大学の学生がお友達も誘ってくれて7人の日本人の学生が交流会に参加した。大勢の人数が参加したので4つのテーブルに分けて着席してもらい、全体の挨拶をした後、テーブルごとに交流することにした。20分おきに席を移動しながら交流したが、お互いの専攻分野、将来の夢などの個人的な話から両国の文化の紹介にいたるまで豊富なテーマで話が弾んだ。韓国の若者がよくやるゲームと日本の若者がよくやるゲームをお互い紹介し、実際ゲームをしながら楽しい時間を過ごした。公式的な交流会が終わってからも帰らずにSNSアドレスを交換したり一緒に食事に行くグループもあった。
予想以上に交流会に積極的に参加してもらい、特に日本人の学生みんなの韓国語が堪能だったので意思疎通にも何の問題がなく活発な交流会になった。今回の交流会の一番の収穫はお互いプラスな刺激を受け合ったことだと思う。
*交流会の感想
韓国人の学生
1.日本人の学生の韓国語の上手さに驚いた。自分ももっと日本語を勉強して日本語で話したい。
2.日本に対する否定的な認識がなくなった。
3.日本の文化について好奇心が高くなった。
5.また交流会に参加したい。
6.先生に教えてもらう日本語より友達から習う日本語のほうが楽しくて覚えやすい。
7.ネットで接する日本のことより交流会で接する日本の話がずっとリアルでいい。
日本人の学生
1.留学生活の中で、韓国人と関わる機会を作るのは難しいが、今回の交流会が嬉しかった。
2.いい経験と楽しい思い出になった。
3.友達ができてうれしい。これからも仲良くしたい。
4.また交流会に参加したい。