大学院日英通訳?翻訳実践プログラムで同時通訳実習を実施
2022.11.28
2022年11月14日(月)、大学院総合国際学研究科 日英通訳?翻訳実践プログラムの2022年度秋学期授業科目「通訳翻訳実践研究2」において、今年度4回目となる同時通訳実習が実施されました。今回は、学部生とのコラボレーション授業で、遠隔同時通訳実習を行いました。実習に参加した大学院生2名(大畠徹也さん、田村有咲さん)のレポートを紹介します。
レポート:大畠徹也さん(大学院博士前期課程 日英通訳?翻訳実践プログラム2年)
今回の実習は、学部生の発表するプレゼンテーションを英語から日本語に通訳するというものでした。事前準備の段階から、資料の提供などメールでのやり取りをこまめに行うことができ、実習当日も慌てることなく遠隔同時通訳に臨むことができました。
事前準備としては、学部生から提供してもらった原稿を自身で読み上げ、その音声を録音して同時通訳の練習に用いたり、とっさに対訳が出てこないと感じた用語をメモに書き留め、手元に用意したりといった形で進めていきました。また、発表するテーマに関連した動画を視聴することで背景知識の習得にも努めました。
実習後には学部生からフィードバックをいただく機会もありました。特に、「抑揚や声のトーンを上げるのはどうでしょうか」、「発表者の話すテンションに合わせると良いのでは」といったデリバリー面に関する改善点を挙げる声が多かったため、今後の実習で意識的に取り組みたいと感じました。通訳者はただ訳すだけでなく、通訳を必要とするオーディエンスにきちんと意味を伝えることも大きな役割だということを実感しました。
今後も遠隔?対面含めさまざまな形態での通訳実習が予定されています。フィードバックでいただいた意見も踏まえて、今回学んだことを今後の実習にも活かしていきたいです。
レポート:田村有咲さん(大学院博士前期課程 日英通訳?翻訳実践プログラム2年)
今回は英語プレゼンテーションを行う学部生の遠隔同時通訳を行いました。私は今回2人の発表を通訳することになっていたため事前準備が大変でしたが、2人とも協力的に資料の共有や打ち合わせに参加してくれたためスムーズに準備を進めることができました。
具体的な準備としてはまず、2人の発表テーマについて日本語での情報収集を行い、キーワードとなる語や対訳の知識蓄積に努めました。その後は共有資料を自分で読み上げ録音し、その音声を使った同時通訳の練習をしました。そしていよいよ本番です。スピーカーの話を聞きながら訳出を口に出し続ける同通の作業は脳みそへの負荷がとても大きいため、プレゼンの合間に頭が働かなくなるような感覚に襲われましたが、集中力を切らさず何とか2人分を乗り越えることができました。
今回の実習ではスピーカーが協力的であったため準備を効率的に行うことができましたが、実際の通訳現場では少ない予備知識で本番に臨まねばならない場面も多いと思います。どんな状況においても最善のパフォーマンスができるような柔軟性を身につけることを目標として今後の訓練に励みたいです。