開催概要
地域講演会:クエート 講師:駐日クウェート大使
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講演には学生を含む63名の参加者があった。大使からクウェート国における民主制と立憲主義の経緯が紹介された。Kuwaitはアラビア語で「小さい城塞」を意味する地の名称に由来するという。古くから海上交通の要所で、4000年前の人の居住の跡が見つかっている。首長制度とそれを支える家(部族)の特色が説明された。交易の要所であったことあら商人層の発言権が強いことを指摘し、合議によって首長を選ぶことや、独特な首長(統治者)と市民の関係(誓い(義務)と権利と解釈できるかもしれない)があるという。こうした統治機能に関する民衆の伝統は、その後も永く続いている。17世紀頃からいわゆる近代的な国としての形態をとりはじめた。当時はオスマン帝国の圧力を強く受けていたため、18世紀末~19世紀にかけて大英帝国の保護領となった。1961年に独立し、ただちにクウェート国民議会選挙が行われたという。独立後の立憲政治においては、成文憲法を定め、選挙で国民議会を形成するなど、さまざまな試みと努力が行われてきた。また女性の参政権は2005年から認められ、いまでは女性議員も誕生しているほか留学者も多く、とくに教育機関などで女性が活躍しているという。
所感:大油田の採掘成功により石油の輸出を主な産業としている。中東にエネルギーの多くを頼る日本との結びつきも他の産油国同様に強い。例えば、出光興産は1958年に用船「ユニバースアドミラル」号がクウェート原油9万7千トンを徳山製油所(当時)に初荷揚げして以来、約58年間にわたりクウェート国営石油会社と取引しているという。社会基盤を支えるエネルギーという観点からはクウェートを始め、中東諸国はとても近い国であることが実感され、その国としての発展の経緯を知ることのできる貴重な講演会であった。
開催日
2015年11月17日(火)
概要/内容
日時 2015年11月17日(火)15:30-17:00(15:00開場)
会場 東京外国語大学 アジア?アフリカ言語文化研究所3階 大会議室
講演テーマ The Path of Democracy and Constitutionalism in the State of Kuwait
要事前申込、入場無料
参加ご希望の方は、お名前、ご所属、ご住所、メールアドレスを明記の上、東京外国語大学 社会?国際貢献情報センター icsic@tufs.ac.jp までお申込ください。