講演会「語りの一貫性と結束性 -日本語母語話者、日英バイリンガル児童、成人日本語学習者のストーリーテリングからの知見-」

日時

2021年12月18日(土)11:00 ~12:30

場所

Zoomでのオンライン開催

内容

語彙?意味を持った句?文?語り?談話の構成規則など、文化は我々が使用する言語に広範な影響を与えている。我々は日常生活の中で「語る」という行為を頻繁に行っている。昨日たまたま経験したこと、ずっと以前に遭遇した経験で今も心に深く残っていることなど、さまざまな過去の体験を誰かに伝えたいものである。しかし、こうした人間の普遍的な特性に深く根ざしているのは、言語文化的に特有な語りのスタイルである。たとえば、バイリンガル?外国語教育に関連する問題を考えてみたい。2つの異なるスピーチ?コミュニティそれぞれで、どのような文法的?文化的選択肢が好まれるのかという潜在的な認識を概念化することで、語りの発達におけるスキルを特定し、話者が語りのデバイスを効果的に活用できる可能性がある。ここでは、日本語母語話者、日英バイリンガル児童?成人日本語学習者が、どのような談話構造を用いて体験談(ノンフィクション)ばかりでなく架空の出来事(フィクション)を産出するのだろうかという問題を考察する。国立国語研究所で開発された「多言語母語の日本語学習者横断コーパス(International Corpus of Japanese as a Second Language:略称I-JAS)」を中心に、ストーリーテリングという共通の枠組みを用いながら、言語?認知?文化的側面から語りの諸問題を捉える。 

講演者

南 雅彦 先生
サンフランシスコ州立大学 リベラルアーツカレッジ 教授

備考

主催

東京外国語大学 総合国際学研究科 授業内講演 担当 望月圭子

主催

科研(20H01278) 基盤B『国際連携?高大連携による英語?中国語?日本語「作文/対話」学習者コーパスの研究』

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