2015年度 第三回FINDAS若手研究者セミナー「サティー女神が生み出す<つながり>

2016-1-10(日)13:00-17:00開催

ラージャスターン州ジュンジュヌー県のサティー寺院で調査を進めてこられた田中鉄也さん(日本学術振興会特別研究員PD/国立民族学博物館)と、現代インドのサティー崇拝をテーマに博士論文を執筆されている相川愛美さん(デリー大学)をお迎えします。

※本研究会はどなたでもご参加可能です

日時 2016年1月10日(日)13:00-17:00
場所 東京外国語大学 本郷サテライト 5階セミナー室
内容 / 要旨 ◆相川愛美(デリー大学 Delhi University)
現代インドで生きるヒンドゥー教女性とその氏族女神の関係性――ラーニー?サティー女神信仰を事例として
The Relationship between Hindu Woman and Its Kula Devi (Family Deity) in Contemporary India : Focusing on Rani Sati Worship
本発表では、13世紀に寡婦殉死し女神化されたラーニー?サティーに礼拝するインド?コルカタ在住のマールワーリー女性に着目することで、現代インド都市社会における女性の宗教像を明らかにする。19世紀からカルカッタへ移民したマールワーリー?アグルワールにとって、ラーニー?サティーは故郷とのつながりを表象する氏族女神であるだけではなく、女性たちにとっての「心の拠り所」ともいえる大きな存在である。本報告では、初めにラーニー?サティー寺院から出版されたテクストが提示する理想の女性像とそのテクストが書かれた背景を確認した後、ラーニー?サティーを信仰する一人の女性の日常生活と宗教活動を中心にして、女神とその女性たちの関係性について読み解こうとする。

◆田中鉄也(日本学術振興会)
現代インドにおける「公益の仕事」としてのヒンドゥー寺院運営――公益信託「ラーニー?サティー寺院トラスト」を事例に
Managing Hindu Temples for the “Public” in Contemporary India: A Case Study of a Public Trust named “Shree Rani Satiji Mandir Trust”

本発表は、インド?ラージャスターン州のラーニー?サティー寺院を事例に、公益信託によるヒンドゥー寺院運営の特徴を詳らかにする。ジャーラーンという親族組織の極めて「私的」な女神信仰は、カルカッタに移住してきたマールワーリー?ジャーラーンが1920年代に自らの財産を「公的なもの」へと読み変える過程で、寺院へと姿を変えた。特定のコミュニティに限定した共助的活動に終始しているように見える寺院運営がいかに「公益の仕事」と解釈できるのか、本報告で分析する。

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