現代日本における火と在来農業の関係を扱った民族誌映画の上映会を開催
2023.07.03
2023年6月25日(日)、アゴラ?グローバル プロメテウス?ホールにおいて、TUFS Cinema 火と農業の映画特集『地球は自分を誰だと思っているのか?(火になる)」/ “Who Does the Earth Think It Is? (Becoming Fire)』上映会を開催しました。
本作品は、滋賀県長浜市余呉町の焼畑と宮津市上世屋地区の炭焼きなどを題材に、現代日本における火と在来農業の関係を扱った実験的民族誌映画です。
ドイツ出身のエルケ?マホーファー監督は、コロナ禍の始まる前に日本に長期滞在し、ポスドク研究員として景観生態学の研究をしつつ、同時に映像作家として日本の自然や町家を16mmフィルムで撮影し、短編映画として発表してきました。作品の舞台のひとつである滋賀県余呉町での焼畑実践には、本学教員の大石高典准教授が参加しており、その縁で上映会が企画されました。今回、TUFS Cinemaの再開を待って3年越しに上映が実現しました。
本編上映後には、大石准教授の司会のもと、マホーファー監督を囲んで、農業生態学?土壌学が専門で余呉町で焼畑の実践研究を進めている京都先端科学大学の鈴木玲治教授と、芸術人類学が専門の秋田公立美術大学の石倉敏明准教授がトークセッションを行いました。鈴木氏からは余呉の焼畑と実践してはじめてわかった在来知について、石倉氏からは炭焼きや焼畑と切っては切り離せない灰と火にまつわる日本の民俗思考の世界について解説がありました。