ご卒業おめでとうございます!(2021年度卒業式?学位記授与式)

2022.03.23

2022年3月23日(水)、2021年度卒業式?学位記授与式が挙行されました。今年度は、中国体彩网手机版感染拡大の影響により、アゴラ?グローバルのプロメテウス?ホールおよび研究講義棟の各教室に分かれる形で執り行われました。

言語文化学部458名、国際社会学部463名、大学院博士前期課程113名、大学院博士後期課程13名が卒業?修了し、学位が授与されました。

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たふもにゅ前で
留学生も袴を着て
卒業証書?学位記授与
学長式辞
毎年恒例の28言語卒業メッセージ
卒業生の言葉(言語文化学部代表?松山芳瑛さん)
卒業生の言葉(国際社会学部代表?花守諒太さん)
各専攻で卒業証書を授与。オンライン参加の学生に代わり卒業証書を受け取る学生。

学長式辞

卒業生、修了生の皆さん、おめでとうございます。

コロナウイルス感染症の状況が、依然、楽観を許さない状況にあるなか、このようにプロメテウスホールと、教室に分散しての卒業式、修了式となりました。一堂に会することができないのは残念ですが、皆さんが友人や先生方に囲まれて、今この時間をすごしておられるであろうことに、安堵の気持ちもあります。4月からの新生活に向け、大学での最後の1日を、どうか楽しんでください。

まず、大学院を修了される皆さんに、お祝い申し上げます。今、読み上げられた博士論文のタイトルからわかるように、皆さんの研究は、世界や日本の様々な問題に鮮やかに光をあてています。引き続き研究を続けていかれる方も、企業に就職される方もおられると思いますが、自分自身の問いを、社会の問いかけに結び付け、問題を探求する生活を、これからも続けていっていかれることを祈っています。

続いて、学部を卒業される皆さんに、お祝いを申し上げます。実は、2021年度の卒業者は、例年にない人数になりました。通常ですと、学部卒業者は750名程度のところ、今年度の学部卒業者は921名に上っております。これはいうまでもなく、コロナ初年の2020年に3年次であった2018年の入学者の皆さんの留学が叶わず、結果として、在籍期間4年で卒業される方が多いことに起因しています。

おそらく1、2年次にショートビジットで海外を訪れ、そしていよいよ長期留学、という時期に、ステイホームを余儀なくされた2018年入学の皆さんは、真剣に新しい進路の選択に向き合い、自身で決断をし、今日の日を迎えられたことと思います。残念な気持ちは想像に難くありませんが、これからの長い人生、別の形で、大学時代にかなわなかった夢を実現していかれることを祈っています。5年間在籍された2017年入学の皆さんの中には、現地での留学生活を途中で打ち切り、帰国された方が多いだろうと思います。パンデミックで揺れる世界を自分の目で見たことを、どうかこれからの人生で活かしていってほしいと思います。

こうした事態を思うとき、あるいは、世界で起きている様々な出来事を思うとき、私たちは、自分だけの努力ではどうすることもできないことがあることを、思い知らされます。今、ウクライナで起きている悲劇をみても、過去の歴史に学ばず、いつまでも変わらない人間の愚かさに、つらい気持ちになります。

戦火にさらされているウクライナの人々や、政府の暴力を止められず苦しむロシアの人々のことを、わが事として感じている皆さんも多いことでしょう。この事態は、世間一般では、戦争はすでに過去のこと、遠い世界のことだと思っていた人々に衝撃を与えています。しかし、そもそも、遠くの世界も含めた世界全体が、私たちの世界です。ウクライナの人々、戦争に反対するロシアの人々に寄せる思いは、シリアの人々、パレスチナの人々、イエメンの人々、ミャンマーの人々、アフガニスタンの人々、香港や、チベットや新疆の人々などに、私たちが寄せる思いと同じです。

私たち、東京外大の精神は、世界のことを、正しい知識と深い共感とともに、わが事として考える感性にあると思います。皆さんが学んだ私たちの大学には、世界があり、世界を思う人々が集っていました。その皆さんが、社会に巣立っていく本日、私たちは、私たちの世界を思う気持ちが、皆さんを通じて社会に広がり、力になっていくことを信じています。

大学は、前に進んでいく皆さんを、ずっと応援しています。皆さんが、ふと思い出したときに、誇りに思える大学であるよう、ここに残る私たちもがんばりますので、どうか、皆さんも母校との絆を大切にしてほしいと願っています。つらいときには、あの明るいタフモニュや、かわいいトビタくんを思い出して、どうかがんばってください。

2022年3月23日
東京外国語大学 学長 林 佳世子

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