2021年度9月卒業式?学位記授与式挙行
2021.09.24
2021年9月24日(金)、2021(中国体彩网手机版3)年度9月卒業式?学位記授与式を挙行し、学部学生37名(言語文化学部16名、国際社会学部21名)、大学院総合国際学研究科博士前期課程14名、博士後期課程8名の計59名に卒業証書?学位記を授与しました。
中国体彩网手机版感染予防対策をとって開催された式では、林佳世子学長から学位記が手渡され、学長式辞に続き、山口裕之学部長、鈴木義一大学院総合国際学研究科長から祝辞が述べられました。
林佳世子学長 式辞
卒業生、修了生の皆さん、卒業?修了、おめでとうとざいます。
最初に学部を卒業される37名の皆さんにお祝いの言葉を述べさせていただきます。昨年冬にはじまったコロナ?ウイルスによるパンデミックの影響をうけ、大学での最後の1年半がおもっていたものとは全く違ったものになってしまった皆さんに対し、どんなお祝いの言葉を述べればいいのか、少し複雑な思いです。
残念な思いがあるだろうことは痛いほど、わかります。留学を途中で打ち切ったかたもいらっしゃるでしょう。そもそも、留学やその他のチャレンジを断念せざるを得なかった方もいるでしょう。それでも、コロナ禍のなかで、すこしゆっくり自分を見つめる時間ももてたのではないでしょうか。9月卒業という道を選ばれた皆さんは、きっと、3月卒業の、いわば普通の道とはちがった何かの決断をして、今日の日を迎えられたのだと思います。熟慮の時間、決断をへて、新しいスタートをきろうとされています。そんな皆さん対し、私たちは、その道が実り多きものであることを、心から願います。本学で学んだ知識や経験、ここで得た友人を大切に、自分の力を信じ、自分の道を進んでいってほしいと思います。
本学をはなれ、皆さんが、これから乗り出す世界は、依然、コロナ禍に覆われています。コロナによって負った社会の傷は、本当に深いものがあります。しかし、私たち一人ひとりも、社会全体も、それを乗り越えていかなくてはなりません。そうした乗り越える力は、流行の言葉でいうと、レジリエンス、とよばれます。先日、おわった東京パラリンピックでも、よく聞かれた言葉だったので、ご記憶にある方も多いのではないでしょうか。レジリエンスは、わかりやすく「困難な状況を受け入れ、生き抜く力」、あるいは、「折れない心」とも訳されました。
「折れない心」って何なんだろうと考えると、鉄でできた、頑丈な心のことをいっているわけではないと思います。折れそうで、折れない。折れかかっても、折れない。いったん折れても、またそこから立ち上がれる、そんなしなやかな心を言っているのだろうと思います。
私たちは、皆さんが、そんな心のイメージをいだいて社会にでていってほしいな、と思います。このパンデミックがそうであるように、想定外の問題は常に起こります。問題を克服するには、問題が何なのかを理解する力、対応の計画性、生じうる別の問題や周囲に対する想像力、計画を遂行する忍耐力、そして自分を信じる力が、必要になります。そういう力が少しでも身につく学びが、大学でできていたらいいな、と思います。どうか、しなやかに、自分の道を進んでください。大学が、そんな皆さんをずっと応援していることを、心のどこかにとどめておいていただけると嬉しいです。
次に、大学院を修了された22名の皆さんにお祝いを申し上げたいと思います。特に、博士課程を終えられた皆さんは、今読みあげられた論文タイトルからわかるように、長い研さんの結果、言語学、文学、芸術学、地域研究など、人文社会の諸分野に貢献されました。ほんとうにご苦労さまでした。
皆さんが修士論文、博士論文で追及された問いは、自分だけのものと思われるかもしれませんが、たぶん、そうではありません。実は、社会が求めている問いだと思います。だからこそ、皆さんが見出した答えを、ぜひ、社会と共有し、そして学問の世界で、さらなる研さんを積んでいただきたと思います。おひとりおひとりの、ますますの活躍を祈っています。
Now, I'd like to congratulate all of you who have finished successfully our Master course of the Peace and Conflict Studies.
It is perfectly understandable that it is extremely difficult to take a degree just within a few years far away from your home country. Especially, because of the prolonged pandemic, you have been faced with much more difficulties in completing the thesis, as well as in your ordinary life, than before the pandemic began.
Today, I am very glad to see you all looking healthy, happy and satisfied.
Hopefully, the study you have made at our university will give you a steady basis for your further development. The world is waiting for your contributions to Peace and Conflict studies, beacause, as you know, the World today needs them.
Lastly, I also hope that the tie between you and TUFS will continue no matter where you will be. We will not forget you and I hope you will not forget us!
Thank you very much and congratulations!
おめでとうございます。
2021年9月24日
東京外国語大学長 林佳世子