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2012年10月 月次レポート(桑山佳子 スイス)

短期派遣EUROPA月次レポート
2012年10月

博士後期課程 桑山佳子
派遣先:スイス?チューリッヒ大学

 10月は初旬からインフルエンザに罹患したために約一週間ほとんど何もできず、回復してからは様々な手続きと発表の準備に追われ、振り返ると怒涛のような一か月だった。
 まずは来学期からの研究に向けた事務手続きについて報告する。現在報告者は博士課程の交換留学生としてチューリッヒ大学に登録している。来学期からは正規の博士課程の学生としてチューリッヒ大学に在籍する予定で、このためにチューリッヒ大学での身分を変更しなければならない。チューリッヒ大学は共同学位と学籍登録に関して別々の窓口に分かれており、担当者も限られているため、派遣時の手続きの反省から心づもりはしていたものの個々の手順に思ったより更に時間がとられ、11月もこの準備に時間を割かなければならなくなってしまった。また、東京外国語大学とチューリッヒ大学間での共同学位取得を目指しているため、この手続きも並行して進めた。外語大での手続きに関しては指導教員の山口裕之先生に定期的に助言をいただいているおかげもあり、順調だといえる。
 研究面では、11月のヒルデスハイム大学国際セミナーでの発表の準備と、論文の準備を進めた。
 9月の後半に山口先生にチューリッヒに来ていただき、セミナーでの発表内容についてはしっかりと話し合い、指導していただけたので、発表の枠組はほぼ固まっていた。10月にはこの話し合いをもとに、使用する具体的な素材の選別と整理を行った。セミナーで扱う予定の多和田葉子の詩「月の逃走」については一度6月にハンブルクで発表した際に取り上げた経験から、前回の反省をもとに分析を組み立て直した。加えて発表に『ボルドーの義兄』からの引用を行うことを決め、該当箇所を決定した。このセミナーに向けた素材の選別にあたって、これまで読んできた文献を見直し、個々の文献と来月の発表が、自分の博士論文のなかでどのように位置づけることができるかをより厳密に考えることができた。
 チューリッヒ大学での指導教員であるダニエラ?タン先生からは、春学期から読解していた多和田葉子の博士論文"Spielzeug und Sprachmagie in der europ?ischen Literatur (2000)"についての小レポートを出すようにとご指示を受けた。12月提出予定の雑誌論文は、この小レポートをもとに完成させる予定で、最終的には博士論文に何らかの形で組み込めるものにしたい。
 10月は先に書いたように体調を崩し、研究以外の手続きにも追われた一か月だった。11月は体調管理をしっかりして、ヒルデスハイム大学国際セミナーの準備を万全の態勢で整えたい。

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