2011年12月 月次レポート(説田英香 ドイツ)
12月レポート
説田英香
派遣先: フライブルク大学(ドイツ)
報告者が所属するヘルベルト研究室は、12月4日をもってクリスマス休暇に入った。クリスマスが近づくにつれて、各地の文書館調査に出かけていた博士学生の多くがフライブルクへ戻って来たため、12月は研究室が賑わった。報告者は現在、博士論文の研究計画 (Exposé) の執筆段階におり、次の段階へなかなか進まない状況下で悶々としていた。しかし、彼らの経験談を聞く中で、研究計画書がいかに文書館調査にとって重要となるか、ということを再確認することができた。
今月は、ヘルベルト教授に先月提出した研究計画書の書き直しを行ったが、そのためのアドバイスを受けるため、カーリン?フン氏と面談した。報告者がテーマとして設定している「帰国促進政策」と「統合政策」の関係性は、これまで本格的に研究されてこなかったとはいえ、この先研究を行ったところで、どれだけ新しいことが明らかになるかは疑問であるとの指摘を受けた。その他にも、彼女がすでに調査を行った文書館の状況などについての話も聞くことができ、研究計画執筆の参考となった。
12月後半はRoberto SalaとKarl-Heinz Meier-Braunの研究書にあたった。前者による研究書は、考察の視点が似ているということからフン氏に紹介してもらった。彼はこれまでになかった、外交政策と社会政策における「ガストアルバイター」メディアの役割をテーマとしている。後者は、報告者がテーマとしている1970年代および80年代ドイツにおける移民政策を扱っており、とりわけバーデン = ヴュルテンベルクに焦点を当てている。報告者も博士論文の中で、いくつかの州を事例として取り上げる予定であり、州を選ぶ際の参考として該当書にあたった。研究計画書の書き直しは1月中旬を目処に完成させる予定である。
以上