2010年9-10月 月次レポート(説田英香 ドイツ)
短期派遣EUROPA月次レポート9/10月
説田英香
派遣先:フライブルク大学(ドイツ)、近現代史
受け入れ責任者:Ulrich Herbert教授
報告者の派遣開始時期が9月21日からであったため、今回は9/10月のまとめての報告となります。今月は、大学開始までの手続きについて、そして報告者の研究活動について報告します。
(1)生活準備――健康保険への加入
フライブルク大学の秋学期開始が10月18日と比較的遅めでしたので、それまでの約一ヶ月間は、フライブルクでの生活準備に時間を割くことができました(住宅確保、滞在許可申請、学生登録など)。住宅は、大学から徒歩5分圏内のところを当面の間確保することができました。
生活準備で最も時間を要したのが、健康保険への加入でした。博士課程の学生 (Doktorandin) は学生 (Studentin) として、いわゆるドイツの国民健康保険 (AOK, DAK, KKH, TKなど) に加盟することが不可能なため、民間の健康保険に加盟する必要があります(例外有)。健康保険への加入証明書は、滞在許可申請と大学への学生登録の際に必須の書類です。従って、できるだけ早めにそろえておきたい書類の一つですが、大半の大手健康保険会社はドイツでの居住を加入の条件としているため、この手続きを日本で事前に行うことは難しいです(なかには加入にあたって二年間の滞在許可が必要とされる健康保険会社もあります)。また、星の数ほどある健康保険会社の中から自分の条件にあう健康保険を選び出すのは至難の業です。私は運良く、学生組合 (Studentenwerk;http://www.studentenwerk.de/) が斡旋していた外国籍の大学生?博士向けの健康保険に、手頃な価格で加入することができました。民間の健康保険加盟証明書を、滞在許可申請と学生登録手続きの書類として効力を発揮させるためには、更に「国民健康保険への加盟義務免除」証明が必要となります。この証明書は国民健康保険の事務所で比較的早く発行してもらうことが可能です。
博士課程の学生として様々な事務手続きを行う場合には、例外が存在するので通常の留学に必要な情報収集とは別に情報を収集しておく必要があります。最近、ドイツ語圏(ドイツ、スイス、オーストリア)の博士向けの手引書を見つけました。Steffen Stock, Patricia Schneider, Elisabeth Peper, Eva Molitor, Erfolgreich promovieren: Ein Ratgeber von Promovierten fur Promovierende (Springer, 2009).
(2)大学生活――授業?指導教官との面談
最初の一週間はオリエンテーション期間でしたので、25日から本格的に授業などが始まりました。私は基本的に、毎週木曜日に行われるゼミに参加することになっています。これまでに一回ゼミが開催されました。ここではフライブルク大学や他大学所属の研究者による報告と議論が行われます。私はドイツの大学を修了していないため、この先、補足的に講義を受ける必要があると思われます。この件に関しては、数日後に担当者との面談があり、その際に決定されます。
これまで一度、指導教官であるUlrich Herbert教授との面談がありました。この面談では、私が現在準備しているシンポジウム報告(東京外国語大学 多言語?多文化社会研究 全国フォーラム 11月27?28日 (/event/_4.html)に関しての指導が行われました。具体的には私が報告で扱う予定でいる、今日のドイツにおける移民統合問題に関する議論についての補足と、それに関するHerbert氏の見解を聞くことができました。
(3)研究活動――全国フォーラムの報告準備
現在は、東京外国語大学で行われる全国フォーラム(「『多文化共生』を問い直す――差別や排除のない公正な社会をめざして」)の報告に向けての準備を中心に、研究活動を進めています。10月前半は、新聞、雑誌での情報集めが中心となりました。後半は、報告内容に関する指導をHerbert氏に受けるため、ハンドアウトの作成を行いました。今後は、Herbert氏による指摘を踏まえ、報告内容の修正を中心に準備を進めていく予定です。次回のHerbert氏との面談は11月中旬に予定しております。