現代アフリカ地域研究センターでは、日本アフリカ学会関東支部との共催で第53回ASCセミナーを開催します。講師には、総合地球環境学研究所で西アフリカのイスラーム史を研究する中尾世治博士をお招きします。
西アフリカ内陸では、トピックや地域、時代によって史資料に大きな偏りがあります。このことが近代史研究の制約となり、同時に研究方法を規定するものになっているのです。中尾博士は、この史資料(の偏在)が与える独自のパースペクティブ、さらに新しい歴史人類学のあり方について解説します。
◆演題:西アフリカ内陸の近代史と歴史:史資料の偏在とパースペクティブ
◆要旨:
西アフリカ内陸の近代史研究では、特定地域の特定のトピックについては(文字史料や口頭伝承などといった)史資料が豊富にある一方で、同じ時代の別の地域については史資料がなく、植民地統治以前の史資料は相対的に少ない。他方で、植民地統治以降の史資料は全体としてみれば相対的に豊富である。つまり、史資料には大きな偏りがある。このような史資料の偏在は西アフリカ内陸の近代史研究にとって、研究の根本的な制約であるだけではなく、研究の方法それ自体を規定するものとなっている。言い換えれば、史資料(の偏在)が、近代史についての独自のパースペクティブを提供している。これらをいくつかの例を挙げて紹介し、史資料(の偏在)とそのパースペクティブを明らかにするものとしての新しい歴史人類学のあり方について述べる。
◆講演者:中尾 世治 博士(総合地球環境学研究所?特任助教)
◆コメント:大石 高典 博士(東京外国語大学?准教授)
◆日 時:2020年10月29日(木) 17:40~19:10
◆場 所:Zoomでのオンライン開催
◆使用言語:日本語
◆参加費:無料
◆参加をご希望の方は、こちらより事前にお申し込みください(定員:300名。申し込み〆切:10月27日〈日〉。定員に達ししだい締め切らせていただきます)。
◆共催:日本アフリカ学会関東支部