2020年12月17日(木)、クラウドファンディング支援者の方々に感謝の気持ちを伝える機会として、当センター主催で、来日した留学生2人との交流会を開催しました。プロテスタント人文?社会科学大学(PIASS)の留学生アンリさんとジャスタスさんは、新型コロナ感染症の影響で約3か月遅れての11月下旬の来日となり、この交流会も予定よりやや遅れての開催となりました。コロナ禍で多数の人が大学に一堂に会する状況にはないため、オンライン交流会という形式をとりましたが、2人の留学生は画面で元気な姿を見せました。
交流会には、クラウドファンディング支援者約30名が参加したほか、PIASSに留学経験がある日本人学生が留学生活の紹介や通訳として手助けしてくれました。また、ルワンダからPIASSの佐々木和之先生が参加するなど、オンラインのメリットを活かした交流会となりました。
センター長の冒頭あいさつ
武内センター長の開会の挨拶で交流会はスタートしました。創立4年目となったセンターの歴史を紹介しつつ、クラウドファンディングによるアフリカ留学生の招致はセンター活動の一環として重要な事業になっていることを説明しました。
PIASSに留学した日本人学生の報告
次に、PIASSへの留学を経験した3人の日本人学生―深澤智子さん、桂川睦美さん、飯野真子さん―が、滞在時の学びや生活について話してくれました。勉強だけでなくルワンダでの生活も含めた幅広い観点からの報告で、3人とも充実した留学生活を送ったことがよくわかりました。
交流会では、報告してくれた3人に加えて、やはり元PIASS留学生の梅津知花さんと高尾タビタさんが通訳を買って出てくれました。元留学生の皆さんは、今回の交流会に協力してくれただけでなく、PIASSからの留学生が日本で生活する際にも細やかなサポートをしてくれる頼もしい存在です。
PIASS留学生の2人からの感謝
続いて、留学生側から発表がありました。2人は支援者の方々への感謝の気持ちを精一杯表していました。
日本留学が決まったものの、コロナ禍のなかで本当に来日が実現するのかという不安な気持ち、日本への出発が遅れたために最初はオンライン授業でスタートし、時差のため夜中の2時から授業を受けた苦労、その末に本当に日本に来ることができた感激の気持ちを明るく述べました。センター員を含めた参加者一同も、コロナ禍のなかで留学を実現できたことは本当に良かったと実感できた一場面でした。
2人のスピーチはYouTubeでご覧いただけます。
アンリさんはブルンジから難民としてルワンダに渡り、奨学金を得てPIASSで学んでいます。「難民としてPIASSで学ぶ自分が日本留学を果たすのは夢のようだ」と、大きな喜びを示していました。ウガンダ出身のジャスタスさんは、留学実現に向け支援してくれた日本の人々はまさに親と呼べる存在だと語っていました(*注釈:彼の故郷の文化では、「世話し学校へ行かせてくれる人は誰もが親」と捉えられるそうです)。2人の感謝の言葉には、心を動かされるものがありました。
質疑応答
支援者の方々からは事前にいただいた質問をもとに、日本の生活への期待や驚き、ふたりの故郷について尋ねました。
2人とも、日本に到着した最初の印象として、寒さを挙げていました。11月も終わろうとする時期、彼らにとっては厳しいものだったのでしょう。また、到着後、いろいろな生活支援を受けたことに繰り返し感謝していました。これから日本語や日本の歴史や文化を一生懸命学びたい、広島や長崎、京都にも行ってみたいとのことでした。
故郷についても、短い時間の中で、たくさん答えてくれました。母国のすばらしさ、紛争をはじめとする困難な状況、伝統文化、観光スポットなど、話は尽きません。2人とも、ぜひ日本からブルンジやウガンダを訪問してほしいと、熱心に話をしてくれました。
元クラウドファンディング留学生の参加
1回目のクラウドファンディング留学生として、2018年秋から1年弱の期間、東京外国語大学で学んだロドリグさんが交流会に参加し、挨拶してくれました。
ロドリグさんは、帰国後に2回目の留学を目指して勉強を続け、今回みごと国費留学生試験に合格して本学の大学院に進学しました。12月初めに来日し、ちょうどこの日に14日間の隔離が明けたところでした。前回の留学によって、日本を第2の故郷と思うようになった、こうして帰ってきましたよ、と嬉しそうに話してくれました。
ロドリグさん自身もブルンジ出身で、今回新たにPIASSがブルンジ人学生を送り出したことを喜んでいました。PIASSはルワンダの大学ですが、アフリカを中心に世界各国からの学生を受け入れており、国籍に関係なく優秀な学生を他国への留学に送り出しています。
PIASS佐々木先生のご挨拶
交流会の締めとして、PIASSの佐々木和之先生から挨拶をいただきました。PIASS学生の送り出しと日本人学生の受け入れに尽力し、学生たちから厚い信頼を寄せられています。支援者の皆さんへの感謝と、日本?アフリカの若者たちの交流の重要性を力強く語ってくださいました。
最後に
交流会を終える前に、留学生と参加者とのフォトセッションの機会を設けました。オンラインという方式でしたが、記念に残る写真を残すことができました。
参加された皆さま、会を盛り上げていただきありがとうございました。
参加できなかった皆さま、この報告により、少しでも現場の雰囲気を味わっていただきたいと思います。