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東京外国語大学
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掲載日:04.12.23

「インドワラ会」関係資料、利用が可能に
松本脩作
大東文化大学非常勤講師
21世紀COE「史資料ハブ地域文化拠点」フェロー
 「インドワラ会」はアジア太平洋戦争開戦にともない、インド・東南アジアで逮捕拘禁され、その後ニューデリーとデーオリー(ラージャスターン)で、長期の抑留生活を余儀なくされた約3000人の日本人市民が戦後帰国して結成した親睦会である。この会が所持する多数の抑留に関する記録類や会報、出版物を整理保存し、今後の歴史研究のために東京外国語大学で一般公開し利用に供されることになった。

 保存のための作業は基本的に次のような方法で行われた。先ず(1)35mmマイクロフィルムに撮影して長期保存用の記録とする。印刷物は白黒フィルムに、絵画やスケッチ類などはカラーフィルムに記録する。(2)撮影されたフィルムをもとにして更に複製本(冊子体)を作成し利用の便をはかる。そしてオリジナル資料はインドワラ会が保持し、コピー版を本プロジェクトが持ち、積極的に公開利用に供することで、インドワラ会と本プロジェクトの間の合意をみた。

 この度作業が完了し、その成果が本COE拠点リーダー藤井毅教授より「関東インドワラ会」会長阪本道弘氏に2004年11月3日手渡された。当日はこの事業に協力してくださった会員の方々も同席された。それと同じ内容の資料が本プロジェクトに所蔵されているので、関心のある方々の利用を呼びかける次第である。

本COE拠点リーダー(左から2人目)から関東インドワラ会会長・阪本道弘氏(写真中央)へ関係史資料が寄贈された当日の様子


 資料の内容は概略以下通りである (画像をクリックで拡大)。

インドワラ通信」第1-38号 「インドワラ通信」第1-38号 (1966-1988)
抑留生活の思い出・出来事、関連のニュース、会員の近況・消息などを伝える。20年余におよぶ長期の通信。抑留にまつわる貴重な証言の宝庫。
「スケッチが語る印度抑留記 (1941.12.8-1946.5.19)」 「スケッチが語る印度抑留記 (1941.12.8-1946.5.19)」
1982年に会員用に刊行された冊子。収容所内で書かれたスケッチ類が持ち帰られ編集されたもの。収容所の風景、生活の光景、学校の行事、児童達の絵、監視兵やインドの人々の姿、など多彩な内容。
「スケッチが語る印度抑留記 (1941.12.8-1946.5.18) 印画紙集」 「スケッチが語る印度抑留記 (1941.12.8-1946.5.18) 印画紙集」
約300点のスケッチを中心としたデータで、上記の本を編集するために使用された印画紙や、掲載されなかった各種資料も含む。
「原画と思い出の品々」 「原画と思い出の品々」
未発表の原画、児童の絵、スケッチ、引揚証明書、援護手帳、収容所内のキャンプマネー、刺繍、寄せ書き、子供が遊んだジグソーパズルなど41点(カラー)。収容所生活や帰国時の状況を物語る思い出の資料。
「高原正三郎作品集」 「高原正三郎作品集」
原画、スケッチ(多数の説明書き付き)、収容所内での作品(編物、花札など)、赤十字社文書など(カラー)。故高原正三郎氏夫人ふみゑ氏所蔵
「峯一男作品集」 「峯一男作品集」
原画、スケッチなど作品58点(カラー)、収容所内外の光景を丹念に記録。故峯一男氏長男峯功氏所蔵

■お問い合わせ
21世紀COE『史資料ハブ地域文化研究拠点』(東京外国語大学)
〒183-8534 東京都府中市朝日町3-11-1
電話  042-330-5540
e-mail:
■交通案内
1) JR中央線「武蔵境駅」乗換、西武多摩川線「多磨駅」下車徒歩5分
2) 京王線「飛田給駅」下車徒歩20分、
  又は「飛田給駅」北口より外語大循環バス「東京外国語大学前」下車すぐ

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