国際日本学

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教員インタビュー

鈴木 美加 SUZUKI Mika

役職
大学院国際日本学研究院 准教授
研究分野
日本語教育学、教育方法学

【English Page】

日本語教育から新しい視点を得る

「キャリアプログラム」の日本語教育実習研究を担当しています。この科目は、日本語専攻以外の大学院生が履修でき、留学先で「日本語の授業を手伝ってほしい」と頼まれた時に適切なサポートができるように日本語教育の基礎を学ぶことを目的としています。
授業では、第二言語あるいは外国語としての日本語とその教育に触れ、日本語を客観的に見つめる視点を養います。履修したら、留学生対象の日本語授業にも参加すると同時に、模擬授業も計画、実施することになります。日本語学習のプロセスに迫り、研究に役立てることもできる。この授業が、いろいろな気づきを得るきっかけになるのではないかと考えています。
 私の研究テーマは、日本語の読解プロセスの分析と、読解力を磨くための教材開発です。日本語はパーツが多く、ひらがな?カタカナは濁音や拗音も入れ各々80字余、常用漢字は2136字、語彙は一般書や新聞で、基本2000語でカバーされる割合は他言語に比べて低いです。例えば、英語なら基本的な2000語がわかれば、一般の雑誌の87%をカバーできますが、日本語では70%しかカバーせず、その3倍程度の語が必要です。変な虫の形に見える日本語の文字、その連なりにうなされる学習者もいます。
また、文章のタイプ、例えば、物語文、意見表出文によって展開が違います。読んでいる途中で「最後はこういう結末になるだろう」と予測したり、深い理解ができたりする場合とそうでない場合がある。その違いにはどんな要因が関わっているのか、ということも研究しています。
 こうした研究に基づき、読解を支援するための教材作りも進めています。断片的に言葉が記憶されても、文章の内容がまとまった形で頭に残らないことがありますが、その助けになるよう、コロケーション(よく使われる言葉の組み合わせ)を利用した学習教材の開発も行っています。
例えば、「謝る」という言葉を見ると、日本人は無意識のうちに謝る姿や「ごめんなさい」といった言葉がイメージされます。「告白する」というと、言いにくい大変なことを言葉で示す、典型的には「好きだ」と相手に言う、といったことが想起されます。連想されやすいイメージ同士をつなぐ教材を作り、言語処理を速め、文や文章がまとまりとして理解できるよう、支援しています。
日本語を初めて学ぶ留学生は、不安にさらされることがあります。わずかずつでも日本語でのやりとりを重ねると、世界が広がって自分らしさを発揮できるようになり、さらに学習が進むという好循環が生まれます。その面白さを、授業を機会にぜひ感じていただきたいと思います。

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