国際日本学

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教員インタビュー

野本 京子 NOMOTO Kyoko

役職
大学院国際日本学研究院 教授
研究分野
日本近現代史、日本農業経済、ジェンダー論

【English Page】

過去を生きた人間のライフストーリーと現代のつながりを跡づける

 私の専門は日本近現代史ですが、「農業?農村」と「ジェンダー」に関する歴史的な研究をしています。戦前の農本主義ないしその運動の持った意味をずっと研究してきましたが、近年は「農業?農村」と「ジェンダー」を架橋するテーマに取り組んでいます。例えば、戦前期の1920年~40年代ごろに農村の生活改善を目指した女性たちの運動など、歴史の表舞台には出てこない人間のライフストーリーに大きな関心があります。過去に生きた普通の人々が能動的に物事を考えて運動を起こし、しかもそれが現代とつながっている、ということを跡づけていきたいと思っています。国際日本学とは、「日本」を世界の枠組みの中で多角的にとらえようとする研究分野だと思いますが、ある時代のある地域の運動も国際的な同時代性を持っているのではないでしょうか。
いま、私が指導している院生たちの研究テーマは、社会?経済?文化にまたがる領域で、「日韓の文化財保護の比較」や「日本の近代化と農政―米価問題を中心にして」など多彩です。また、現代の地域研究として、震災以前から関わりのある東北地方の一農村を毎年訪れ、震災が農村に与えた影響やその後の状況に関しての聞き取りを行っています。いずれにしても歴史を踏まえつつ現代とのつながりを意識することが、日本の姿を多角的にとらえるきっかけになるはずです。
 インターネットなどで簡単に情報が入手できる時代ですが、学問研究においては、情報にまどわされず自分の目でしっかり見ることが大切です。また、自分の専門に限らず周辺の分野を含めて幅広い書籍に触れたり、シンポジウムや研究会などに積極的に参加したりして、自分自身の問題意識を広げ、また国際的な比較の眼を養ってほしいですね。

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