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2014年3月 月次レポート(太田悠介 フランス)

ITP-EUROPA月次報告書(3月)

太田 悠介

 今月25日にパリを離れ、4年半にわたった留学生活を終えた。留学中に買い集めた書籍類が思いのほか多く、荷物の発送には手間がかかった。日本の学期始めあるいは仕事始めのこの時期に合わせて、同じように帰国する者、今後もパリでの研究を続ける者とそれぞれで、友人たちとの別れを惜しんだ。
 帰国の準備に追われながらも、時間の合間をみつけては博士論文の執筆を続けた。現在執筆している箇所では、これまで学会や研究会といった様々な機会に指摘されてきた、バリバールの思想とアルチュセールの思想をいかに切り分けるかという論点に関して、叙述している。国家論をめぐって、両者の差異がはっきりと浮かび上げるように思われる。両者の切り分けを一度したうえで、博士論文の後半では再びアルチュセールの思想について言及し、そこでは今度は両者の思想の連続性を論じる予定である。
 帰国後すぐに必要な書籍については航空便で発送していたが、特に問題なく帰国後まもなく受け取ることができた。まずは落ちついて研究に集中できる環境をできる限り早く整えたい。末尾になりましたが、ITP-EUROPAプログラム運営に携わっていらっしゃる先生方、担当事務の方々に対して、長期間にわたる留学の機会をいただけたことを心よりお礼申し上げます。遅々たる歩みで関係者の皆様にはご迷惑をおかけしましたが、このご恩を少しでも返せるように今後も努力を重ねる所存です。

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