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2013年6月 月次レポート(近藤野里 フランス)

ITP-EUROPA
月次レポート2013年6月

近藤野里(パリ第8大学)

 今月は博論の一部となる先行研究をまとめる章を書くことに専念しました。リエゾンに関する研究は、主に規範的アプローチ、記述的アプローチ、理論的アプローチ、そして社会言語学的アプローチの4つに分類できます。理論的アプローチについては、去年のヒルデスハイムで行われたITP-EUROPA国際セミナーで発表した内容を更に詳細にして書き足しました。記述的アプローチ、社会言語学的アプローチは、数年前にまとめたものを推敲し、書き足すことができました。フランス語についての社会言語学的研究の基礎として、Gadet, F. (2007). La variation sociale en fran?ais. Collection l'Essentiel fran?ais. Paris: Ophrys. を読み返す機会がありました。社会言語学の知識は、今後の研究を続ける上で重要になるため、来月はいくつか他の文献も読むことになりそうです。今月は、フランスにおける標準フランス語と規範の形成を考慮するために、Lodge, A. (2004). A sociolinguistic History of Parisian French. Cambridge: Cambridge University Press.を通読しました。これら4つのアプローチについての執筆は、来月も引き続き行う予定です。
 今月初旬には、指導教員のBrandao de Carvalho教授との面談もありました。今回はパリ第8大学に提出する博士論文の研究計画について話し合いました。去年までは本学とパリ第8大学での共同博士取得を目指すつもりでいましたが、フランスでの指導教員、そして本学での指導教員の川口裕司先生と話し合った結果、博士論文をパリ第8大学と本学に一つずつ提出することに決定いたしました。パリ第8大学での博士論文のテーマは、1年ほど前から興味があったフランス語の長母音と位置の法則(la loi de position)について研究することになります。こちらの研究のほうは、夏休み中に先行研究を集め、読み進めることとします。
 フランスの大学は6月に入ると学期末で、ゼミや音韻論研究会も6月一杯で終わり、再開されるのは10月の新学期に入ってからのようです。夏休み中は、博論の執筆をさらに進め、また17世紀末のRené Milleranによって書かれた文献のコーパス化、分析を開始したいと思います。

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