2013年4月 月次レポート(説田英香 ドイツ)
4月レポート
説田英香
派遣先: フライブルク大学(ドイツ連邦共和国)
4月の前半は先月に続き、博士論文の執筆作業を行った。主に、史料分析が終了している1973年から1975年までの議論を中心に扱った。その過程で先行研究の見直しや、後回しにしてきた刊行史料のまとめも行った。これまで、先行研究や刊行史料のまとめはワードファイルを用いて行ってきたが、それらの量が増えた事もあり、文献管理ソフトを使用することにした。管理ソフトは、フライブルク大学が学生に対して無料で提供しているものの中から、手持ちのパソコンにも対応するzoteroを選択した。大学の図書館や国立図書館等のデータベース、グーグルブックスから書誌情報を取り込むことはもちろん、それぞれの書誌データへのファイルの添付や、ノートの直接の書き込みを行う事ができる。また、それぞれの文献やデータに、独自のキーワードに基づく「タグ」を付けることができ、それをもとにソフト内のキーワード検索を行う事も可能である。これまでにも他社の管理ソフトを体験版で使用した経験はあるが、なかなか使いこなす事が出来ず常に挫折してきた。今回、同じゼミの博士学生から別の管理ソフトについて教えてもらったこともきっかけとなり、使い始めてみたところすぐに慣れることができたため、この先も使い続けて行きたいと考えている。最終的に情報がパソコン内にデータ化されてしまい見通しが利かない、という点についてはこれまでのワードファイルでのまとめ方と大きく変わりはないが、詳細な書誌情報リストが正確かつ瞬時に作成できるという点、そしてまとめた情報の呼び出しがスムーズになった点については利点であると感じる。
4月の中旬からはフライブルク大学も新学期をむかえ、毎週水曜日に開催されるコロキウムにも参加した。また、指導教員との面談を設定してもらい、長期休暇の調査結果についての指導を仰いだ。この面談には、調査の中間報告と博士論文の構成を持参した。今回は章立てだけではなく、可能な箇所について、各章と節で論じる予定の内容を簡単にまとめたものも添付した。この作業の過程で明らかになったことは、論文の最も中心となる1980年代についての調査結果が、70年代に比べて質的にも量的にも足りないということである。この点についてはヘルベルト教授にも指摘された。まだ残っている80年代の史料分析を至急終了させた上で、再度連邦文書館へ訪問するよう勧められた。従って、見通しがつき次第、連邦文書館訪問の計画を立てる予定である。5月は1980年代の史料分析に集中したい。
以上