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2013年1月 月次レポート(杉山香織 フランス)

ITP 1月月例報告

杉山香織

 ボルドー第三大学では、1月の第3週目から後期の授業が始まりました。
 後期は指導教官であるLaurence Labrune先生の授業が始まり、音韻論の授業と言語記述の授業に参加しています。また、授業後にはボルドー大学での博士論文について先生とお話しする機会をいただいています。
 年始から授業が始まるまでの間は、博士論文の分析部分を進めました。学習者の話し言葉がフランス語母語話者の話し言葉と比較して、個々の語から成り立っているのか、それとも『語のブロック』が組み合わさっているのかを統計的に分析しました。その結果、学習者は母語話者と比べて一部の『語のブロック』に大きく依存して発話を行っていることが明らかになりました。
 博士論文と平行して、学会のプロポーザルの準備を行いました。フランスにいる期間中に学会には精力的に参加したいと思っているため、自分の研究と関連する学会を調べてプロポーザルを書き、いくつかの学会に発表の申請を行いました。現在までに、2月16日にパリで行われるCELIJA (Cercle de Linguistique Japonaise)開催のTroisième journée doctorale du CELIJAでの発表が受理されています(https://sites.google.com/site/celijafr/)。"Les corpus d'apprenants, leur développement et leurs applications"(学習者コーパス、その発展と応用)というタイトルで発表します。ヒルデスハイムで発表した内容をさらに掘り下げ、フランスにおける日本語学習者話し言葉コーパスの現状と学習者コーパスの可能性についても言及します。
 さらに、ヒルデスハイムの報告集の原稿の仕上げも行いました。11月の口頭発表をもとに、フランス語話コーパスの歴史とフランス語学習者コーパスについてをより詳細にまとめ直しました。
 博士論文、研究論文、そして研究発表を平行して進めることは決して容易ではありませんが、3月に博士論文粗稿の提出ができるよう、また多くの発表機会が持てるよう、2013年も気持ちを引き締めて研究を進めて参りたいと思います。

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