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2013年11月 月次レポート(説田英香 ドイツ)

11月レポート
説田英香 
派遣先: フライブルク大学(ドイツ)

 報告者は11月の第3週目から約2週間、コブレンツの連邦文書館 (Bundesarchiv Koblenz) にて史料収集を行った。11月の始めに、受入指導教員であるヘルベルト教授と博士論文の構成について話し合った。それを受けて、第1週と第2週目には再構成を行い、その傍らで文書館訪問の準備をした。当文書館では既に何度か史料の収集を行っており、今回の文書館訪問はこれまでの補足調査となった。比較的長期の滞在であったため、文書館付近に位置する学生寮に寝泊まりした。閲覧可能であった史料は1982年までのもので、1983?85年の史料については、以前行った申請の許可がおりたものに限定された。これまで主に取り扱ってきた連邦労働省 (Bundesministerium für Arbeit und Sozialordnung)と連邦内務省( Bundesministerium des Innern)の史料に加え、連邦経済協力省の史料を中心に調査した。今回閲覧したファイル数は160以上、複写を申請した史料は1500以上である。連邦経済協力省 (Bundesministerium für wirtschaftliche Zusammenarbeit) では1960年代後半から、ドイツで就労していたトルコ出身労働者を対象に、職業継続訓練支援や帰国後の職業分野における自立支援プロジェクトが計画されていた。このプロジェクトは1972年のいわゆるアンカラ協定により強化され、その後も継続されることとなった。当プロジェクトが、1970年代および1980年代初頭の帰国促進政策とどう関わりがあるのか、という問題関心のもと、その形成過程に関する史料を調査した。トルコに限定せず、同様の試みが行われたギリシャの事例についても、可能な範囲で調査を行った。1970年代前半の連邦政府内における帰国促進政策の議論については、これまでの調査結果以上の内容を示す史料を見つける事ができなかった。反面、連邦経済協力省のファイルから、70年代後半における連邦政府内の帰国促進政策について、まとまった史料を新たに見つけることができた。上記以外にも、これまでの論文執筆過程で不足が発見された史料を収集する事ができた。

以上

 

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