2013年6月 月次レポート(柴田瑞枝 イタリア)
月次レポート 2013年6月
博士後期課程 柴田 瑞枝
派遣先:ボローニャ大学 (イタリア)
6月のボローニャは気温の変化が激しく、30度を超える真夏のような日が続いたかと思えば、今度は厚手の上着が欲しくなるほど急に肌寒くなるなど、不安定な気候だったので、いつも以上に体調管理に気を遣いました。ボローニャの夏はあまり過ごし易くないと話には聞いていましたが、実際厳しい暑さになりそうなので、猛暑が続くであろう7?8月は、冷房設備のある大学の図書館を極力利用させてもらおうと考えています。
今月初旬に、3月に応募した小論「『深層生活』にみるモラヴィアの「声」----女性一人称と対話の叙述形式」が、イタリア学会誌第63号に掲載されることが決まりました。ひと月の猶予の間に、審査員の先生方からご指摘頂いた点を参考にしながら、論文にいくつか修正を加える作業を行いました。これは現在執筆中の博士論文の第4章の基礎となる小論文ですが、ボローニャのいくつかの図書館が所蔵する、1970年代発行の雑誌や新聞を多く参照できたことが、研究?論文執筆の大きな助けとなりました。こうして恵まれた環境で研究ができることを、大変有り難く思っております。
27 日には、共同学位制度のもとで博士論文を提出された先輩の最終口頭試問に出席しました。審査員の先生方からも様々な意見や質問が飛び出して、活発な議論の様子からも、論文のテーマの斬新さが高く評価されていることが感じられ、とても興味深い審査でした。試問後、無事博士号を取得された先輩から、博士論文提出までの細かな苦労(イタリア語による執筆作業はもちろんのこと、印刷の手配、数回にわたるチェック、校正など)についてお話を伺い、自分がこれから辿る過程について思いやり、改めて気が引き締まる思いがしました。
月末になって、本学とボローニャ大学による自身の博士論文共同指導協定が締結され、いよいよ博士論文提出までのカウントダウンが始まったのだと、緊張感と責任感を感じています。暑さに負けないよう体調を整えつつ、論文の執筆に励んで参りたいと思います。