2012年5月 月次レポート(小久保真理江 イタリア)
ITP5月 報告書
小久保真理江
7月末の博士論文提出に向け今月も論文執筆を進めました。論文は三章構成で、第一章と第三章については既に執筆が終了しているため、現在は残る第二章の執筆に取り組んでいます。今月前半は、ファシズム政権下のイタリアにおけるアメリカ社会に関する議論を取り上げた第二章第二節の執筆を終えました。現在この節は友人にネイティブチェックを依頼中で、修正が終わり次第指導教官に提出する予定です。
その後、今月後半は第二章第三節の執筆を進めました。この節では、1930年代のイタリアにおけるアメリカ文学に関する議論を取り上げ、「モダニズム」や「世界文学」に関する近年の研究成果も参照しながら、パヴェーゼのアメリカ文学観の特徴について論じます。来月中旬にはこの節の執筆を終了する予定です。
また、今月は指導教員のロレンツィーニ先生と数回面会し、論文に関する助言をいただきました。 先月提出した第二章第一節に関しては、内容的には特に問題ないということでしたが、イタリア語の文章表現の面では厳密さや滑らかさの点でまだ問題があるということで、細かな添削をいただきました。
月末にはイタリア文学科博士課程の友人たちの口述審査がボローニャ大学で開かれました。審査は各自の口頭発表と質疑応答を元に行われ、三人の友人全員が無事博士号を取得しました。同じ時期に論文執筆に取り組んできた友人たちの学位取得を嬉しく思うと同時に、数ヶ月後の自らの審査にも思いを巡らすひとときでした。今回の口述審査を見ることにより、イタリア文学科での審査の形式や雰囲気が具体的に分かり大変参考になりました。