2012年5月 月次レポート(洪性旭 イギリス)
ITP-AA派遣 月次報告書(2012年5月)
報告者:博士後期課程 洪性旭(Sungwook HONG)
派遣先:SOAS University of London(英国?ロンドン)
研究テーマ:アジアにおける社会的企業の持続可能性に関する諸問題
ロンドン滞在も2ヶ月目となり、生活も安定してきた。前月に続き、5月は、文献探しと通読、また、博士論文構想の精緻化に専念する月となった。
5月8日には、受け入れ先であるJapan and Korea DepartmentのAndrew Gerstle教授と面談を行った。SOASにおいて、この時期は期末テストや論文提出等が終了する時期であり、正規の講義を聴講することはできないが、週に3~4回、公開講座やセミナー、説明会が開催されている。面談では、自分の研究を進めるとともに、こちらにもより多く参加することを勧められた。また、Department of Financial & Management Studies (DeFiMS) において日本企業の財務?経営を指導しているHelen Macnaughtan氏を紹介していただいた。氏は主に戦後日本の経済史や、繊維産業における女性労働者に焦点を当てた研究を行ってきており、本研究にも部分的に通ずるものがあると考えられる。
5月の中旬からは、研究内容の精緻化を図った。この時期は、ちょうど日本学術振興会特別研究員の申請期間が重なっており、申請内容の仕上げの際、SOASとLSEで得られた資料を大いに参考することができた。特に、組織論の中の内発的動機づけに関連する諸理論、基礎研究となった修士論文から博士研究へのスムーズなつながり、そして、対象地域となる日本と韓国における調査の具体的な構想ができた。
6月には、宮村先生やGerstle先生に紹介していただいた研究者たちとの連絡を図るとともに、日本や韓国における社会的企業概念の導入に大きな影響を与えているイギリス?コミュニティ利益会社(Community Interest Company, CIC)への訪問調査の準備を進める予定である。