2009年5月 月次レポート(幸加木文 トルコ)
ITP-TUFSレポート 2009年5月
幸加木 文
トルコ統一地方選挙後の第二次公正発展党政府の発足とほぼ同時期に、本プログラムによる派遣者として二度目のトルコ留学を開始した。
まず、派遣先機関の指導教員を引き続きお引き受け頂いた、イスタンブル?ビルギ大学欧州連合研究所のアイハン?カヤ教授に、今回の派遣期間および今後の研究計画について連絡し、8月の研究発表に向けた論文の進捗を6月下旬に報告する旨を了承頂いた。
また、昨年度同様、ビルギ大クシュテペ?キャンパスの図書館とイスラーム研究センター(ISAM)図書館を利用し、博士論文の研究テーマと目前の研究発表に関する文献調査?収集をし、読解を行った。当然ながら一日に読める量には限界があるので、精読すべき文献の優先順位をつけながら取り組みたいと考えている。同時に、研究対象に関してドイツとグルジアで開催された国際会議および講演会における議論や、ロシアやアメリカのメディアによる報道をフォローアップした。メディア上の言説分析はここ数年行っているが、何ら変わらない部分と新たな局面が見えつつある部分とがある。その他、研究関連の事項表の作成とトルコ語の新聞記事を翻訳した。
生活状況については、特段大きな問題もなく、昨年度に比べはるかに順調なスタートを切ることができたように思う。公的な手続きとしては、滞在許可証の住所変更届を警察署に提出した。所管の外国人課では待合場所が整備され、順番待ちの番号表示システムが導入されるなど改善されていた。
その他、往路では同日接続のイスタンブル行きの便が取れなかったため、ロンドンで1泊することになった。この機会を利用し、本年12月から研究機会を頂いたロンドン大学東洋アフリカ研究学院(SOAS)や、近隣のブリティッシュ?ライブラリの場所などを確認した。僅かな時間ではあったが、これからのトルコと英国における10カ月の研究機会をどのように活かすかという点で、自己の意識を再確認する機会となった。
写真は、今月ユルドゥズ宮殿内の武器庫を改装した建物でオープンしたIRCICA(Research Centre for Islamic History, Art and Culture)の図書館入り口。イスラーム史や文明に関する専門図書館とのことだが、訪問時にはまだ荷物の搬入が済んでおらず、データベースも作業中とのことであった。とはいえ、おしなべて司書、図書館員の方々の懇切な応対には頭が下がることが多い。http://library.ircica.org/default.aspx