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2009年3月 月次レポート(幸加木文 トルコ)

ITP-TUFSレポート 2009年3月
                                                                                                       幸加木 文

  今回のITP派遣は今月一杯で終了となったが、本年5月から引き続き在外研究の機会を頂いたため、事実上中締めの1カ月となった。
  まず、派遣先機関における指導教員との連携?連絡状況については、イスタンブル?ビルギ大学欧州連合研究所のアイハン?カヤ教授と、春期の院の科目履修に関する相談をし、履修の承諾を得た。また、今後の自己のトルコ滞在予定等についてメールにて連絡をした。
  つぎに、研究の進捗状況としては、今年度の研究報告の一環で研究ノートを執筆するとともに、来年度の研究環境に関する依頼?連絡作業を行った。また、今月29日に実施されたトルコの統一地方選挙情勢に関する記事を読み、選挙分析を主題とする講演会に出席した。投票日当日は、夕方からTVとインターネットで選挙結果速報を追った。その他、研究に関連するトルコ語の新聞記事翻訳を行った。
  生活状況としては、5月からの生活に関する準備を行った。新居の契約にあたっては、快く保証人を引き受けて下さった方をはじめとするトルコの方々の助け手に加え、円高と相場感がある程度身についたことで、昨年8月に来た頃に比べると物事を判断し実行に移す速度が格段に上がったことを実感した。一時帰国に向けて関係者への連絡や新居への荷物の移動、半年暮らした部屋の掃除と鍵の引き渡しを済ませて、帰国の途についた。
  その他、今月観察した街の様子を写真とともに若干報告する。

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春を告げるミモザの花売りを街で見かけるようになり、日に日に春めいていた今月8~9日は、預言者ムハンマドの生誕を祝うメヴリド(マウリド)?カンディルだった。写真左は、手のひらサイズの小さな揚げ菓子がセットになったカンディル用の菓子折り。写真右は、ボスニア?ヘルツェゴビナのサラエヴォ、イラクのキルクーク、北キプロスのレフコシャ、そしてイスタンブルの4カ所で同時に行われたメヴリドの集団礼拝の模様を中継したトルコ公営テレビTRTの画面。
 
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近現代トルコにおける著名なイスラーム知識人を紹介する展示会会場。ここは平屋の個室が連なって円形に建てられたメドレセ(マドラサ;宗教教育施設)だった場所で、中庭ではお茶を楽しむ人々の姿もあった。見学の際には来場者をグループ化してガイドがつくなどきめ細かい対応だった点と、来場者が極めて熱心に解説を聞き展示に見入っていた姿が印象深い。
 
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写真左は、投票24時間前の選挙運動規制のため、政党の旗や看板が一斉に外された街並み(2月のレポートの右の写真と同じ場所を撮影)。この時点では平常に戻ったというより、いささかの緊張と熱気の名残が感じられた。写真右は、折々の物思いがさまざまに映りこんだボスフォラス海峡上に広がる空。この海と空を鏡に研究?勉強を形にする自像を、おぼろげながらも結んでいきたいと念じる。

 

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