概要
2020~2023年度入学者対象のプログラムについてはこちら
本プログラムについて
東京外国語大学とヨーロッパの大学が合同で運営する博士前期課程のダブル?ディグリープログラムです。参加学生は、2年半から3年の期間中、本学、中央ヨーロッパ大学(オーストリア)、新リスボン大学(ポルトガル)、ミュンヘン大学(ドイツ/※予定)のいずれかに半年から1年以上滞在します。 複数の大学をめぐりながら学ぶこの体制を通して、基礎学習?研究?インターンシップに取り組み、最終的に修士論文(ないし修士研究)を完成させます。そして本学での合同審査を経て、東京外国語大学の修士(学術)と中央ヨーロッパ大学のMaster of Arts in Historyの少なくとも2つの学位を取得することが可能になります。「公共圏における歴史」とは
本プログラムは、人文科学、社会科学の諸領域のなかで、広く歴史を対象にしています。それは歴史学や歴史研究、あるいは教科としての歴史のような、狭い意味での「歴史」ではありません。 わたしたちの社会は、さまざまな領域で歴史との関わりがあり、日々のいろいろな場面で歴史、記憶、過去、あるいは歴史的なものに出会います。 そうした公の場における歴史との接点について、社会という圏域のなかでどのように考え、また現代に共有される課題として学術的にどう向き合うことができるのか。 これまでの歴史学?歴史研究の知見を下敷きに、より広い社会的な視座のなかで、公共領域における過去とそれをめぐる議論、対立、表象、等々をあらためて捉えなおし、現在と未来に向けた歴史的な思考と実践について、日?欧の垣根を越えて学んでいく。 本プログラムの主題である「公共圏における歴史 History in the Public Sphere (HIPS)」にはそのような意味と目標が込められています。目的と展望(人材像)
「公共圏における歴史(HIPS)」という大枠の構想のもと、本プログラムは、学術的な視点に立って歴史に関する知を生み出し、それを実践に結びつけることのできるグローバルな人材の育成を目指しています。 歴史に関する学問的な知見は、これまで直接的には歴史家や教師などの専門家の間で育まれ、担われてきました。しかし、歴史が公共の場において無数に存在し、社会の枝葉とさまざまに重なり合っているのも確かです。そうした公共圏と歴史との結びつきを強く意識する本プログラムでは、とりわけ近世から近現代までの時代を念頭に置きつつ、博物館?美術館をはじめ、ジャーナリズムや放送?デジタルメディア、そしてビジネス、外交分野など、歴史が関わり得る多様な領域で活躍する人材を養成します。またこの取り組みは、日本とヨーロッパを文字通り横断する学術?教育?大学間の交流を通して、より多角的で国際的な実践の場となるはずです。